家のスタイル

北側斜線と道路斜線制限
北側斜線と道路斜線制限

建築の形やデザインのことを話してきましたが、実際の設計では、実は形や高さなどは、敷地の制約で決まってしまうことがほとんどです。

敷地の大きさや形ももちろんですが、図にあるような、北側斜線や道路斜線制限という、建物の高さを制限する法律が、建物の形や高さを、かなり制限してしまいます。

 

この制限は、地域によって異なっていて、一概には言えませんが、主に都市の、良好な住宅街ほど厳しくなっています。逆に言えば、農村部や別荘地などは、楽ということです。

東京などでは、敷地は狭いし、道路も狭い、隣家は接近していて、しかもこれらの制限があっちこっちからかかってくるので、建てたい建物の、半分も建たない事など、普通にあることです。

 

例えば、私は住宅には庇があった方がよい、と言い続けてきました。ですが、実際の世界では、庇が付けられないという建物もたくさんあります。

庇が40cm出っ張ると、建物を40cm引っ込めなければならなくなる。でもそれは出来ないので、じゃあ、庇を無くして、建物をあと40cm広げよう、という事になってしまうのです。そうして、庇がまったくない箱型の家で、しかも2階部分のあちこちが斜めに削り取られた、「都市型住宅」という建物が出来上がるわけです。

 

とても嫌な法律で、ほとんど頭に来ることさえありますが、致し方ありません。それが、日本の法律で、都市に住むという事ですから。もちろん、広い土地があれば、別の話ですが・・・・・・

 

この様な訳で、理想的な住宅は、なかなか成立しないものです。

東京の一等地に一戸建て住宅を持つ。

聞こえは良いのですが、必ずしも生活は満たされないのが現実です。もしかしたら、それほどうらやましい事でもないのかもしれません。

でも、同じ大都会でも、ニューヨーク近郊の住宅は、広くて快適なのですから、うらやましい限りです。