住宅の話

登りやすさを追求したゆるやかな階段
登りやすさを追求したゆるやかな階段

東京の都心部を代表として、大都市周辺部には、住宅用の狭小敷地というものがたくさんあります。どれくらいから狭小かという定義はないですが、やはり30坪、約100㎡を切るとちょっと設計が難しくなってくるような気がします。

 

敷地が30坪だと、建て坪、いわゆる建築面積は18坪程度が一般的に限界です。18坪は36畳、約60㎡ですが、例えばLDKで20畳程度を使うと、残りはあと16畳しか残りません。風呂、洗面、トイレで4~5畳、玄関と廊下で5~6畳。収納も必要ですし、多少は遊び部分も欲しい。

なんて言っていると、何かが犠牲になって行きます。

 

そんな狭小プランでけっこう悩むのが、階段の位置と大きさ、形です。通常の2階建ての高さだと、階段は2~2.5畳を使います。更に周辺には廊下も必要になりますし、2階の間取りも1階の階段の位置で決まってきます。

 

昔の家では、かなり急勾配の階段を平気で使っていました。もう、階段と呼ぶより、はしごと呼んだ方がいいような階段もたくさんあります。

でも、現代ではそうはいきません。住宅での死傷者の原因の一番は転落で、その原因の多くは、階段での転落です。特に勾配のきつい階段では、転落も多くなるので、出来れば40度程度に抑えたいのですが、45度程度の階段になってしまうこともありがちです。

ちなみに、40度の直線型階段は、長さが3.6m程度必要ですが、45度だと2.7mで作れます。この差って、結構大きいんです。

 

階段は、施主にとっては、完成して上り下りするまで全く分からない部分だと思います。完成して、ゲゲゲッ、となるか、ラクーッ、となるか、それは設計者の良識と言うことになるでしょう。

そんな訳もあって、階段は悩むのです。

さて、今作っているプランでは、どうしましょう。せめて、良心が痛まないようにだけは、しておきましょう。