住宅の話

木は曲がっているものです
木は曲がっているものです

いい職人ってどんな職人? ってな話を現場でしたことがあります。いろんな話が出ましたが、ある親方が、それはお金の価値が分かる職人だ、といっていたのが記憶に残っています。

どんな家のどんな工事でも、それはお客さんがお金を払って頼んだ仕事であって、そのお客さんの気持ちになって仕事をするものだ、とその親方は言っていました。

 

住宅というのは手作りなので、特にその言葉の重みを感じます。

真っ直ぐあるべきものは真っ直ぐに作る、とか、上下で揃っているべき物は揃える、などという当たり前のことが、実は住宅の現場では当たり前でないので、困ってしまうのです。

 

例えば、壁が真っ直ぐでない、ってなことは、ある意味当たり前のことです。生の木を使って作るのですから、木が反ったり曲がったりするのはわかりきったことで、それを前提にして大工は作って行きます。もちろんお金を掛ければ、より真っ直ぐな木を使うことが出来ますが、一般的な価格帯では無理でしょう。

だからといって、凸凹でも良いというわけではなく、一定の湾曲はやむを得ないということです。

 

でも、凸凹を平気で作る大工もいます。垂直ですらない事もあります。

良い職人は、木目を見て揃えますが、適当な職人は、どうせ曲がっている材料なんだから、と言ってバラバラに使ってしまう訳です。そんな所で、できの善し悪しが出てきてしまうのですね。

 

スイッチやコンセントが真っ直ぐでないとか、高さが微妙に違っているとか。そんなことも、お金を頂いているのだから、と自分を戒めずに、気にもしない職人はたくさんいます。

どんな工務店や住宅メーカーが作っても、最後は職人の心粋で決まってしまう、それが住宅の難しいところです。