バンコクから

地上から見上げる高さの、伝統的高床式住宅
地上から見上げる高さの、伝統的高床式住宅

バンコク市内の古い住宅を見てきました。
写真は、約60年前に建てられた、バンコクに住んでいた、シルク王の住宅を復旧し保存している場所です。ですから、現在は住んでいませんし、60年前としても、相当な金持ちの家です。

 

基本的に高床式ですが、一部は盛土をして、床のレベルで庭を作っています。また、周囲は植樹をして、タイの自然を楽しんでいる雰囲気もあります。どちらも、お金持ちでないと出来ないことですが、この家の持ち主はアメリカ人だったので、余計にそうした配慮があったものとも思えます。

現地の人達は、例え金持ちでも、タイの自然を楽しもう、なんて発想は無かったと思います。実際にも、そうした家は見あたりません。大自然の中に建っている家は沢山ありますが。

 

タイだけでなく、日本も欧米も、自然を楽しむという考えは、やはり金持ちの余裕のある人の考えです。生きるのに精一杯、生活するのがやっと、日々、雨・風・嵐と戦って生きている人にとっては、楽しむという発想すら無かったでしょう。

ただし日本には、自然と共にある、という発想は古くから庶民の間にも浸透していたようです。共に生きるのですから、楽しんでいるかどうかは分かりませんが、身近には感じていたのでしょう。

その意味では、タイでは環境との戦いだった感じです。暑さ、雨、洪水、湿度などは、快適な生活とは正反対だったでしょうから。

 

最近では、自然に親しむと言う活動は、先進諸国での共通の感覚になっています。生活に余裕があり、自然の驚異から守られ、快適な環境を人工的に作れるからこそ、生活の一部で自然に触れようとするのだと思います。

蒸し暑いバンコクで、この家の中は結構快適です。開けはなった窓や出入り口から風が通って、チークの木が湿度を調整してくれています。確かに、高床式の効果はバツグンです。寝るときは、カヤを吊るそうです。泥棒はいなかったのかしら、何て、余計な心配をしてしまいます。

 

今では全く建てられなくなった伝統的建物ですが、やはり、タイの環境にはバッチリと適合していました。