住宅の話

BC200年頃に現在のトルコからイスラム圏で始まったと言われる、地相と星座を組み合わせた家相盤
BC200年頃に現在のトルコからイスラム圏で始まったと言われる、地相と星座を組み合わせた家相盤

家相の話をしました。でも家相の考えが複雑にできあがったのは、家がさまざまに進化してからの話です。古来中国で始まった理論ですが、元々は地相や風水といった、土地と生活に関係した理論が始まりです。

 

例えば「鬼門」という言葉がありますが、鬼門は現代の北東を指します。この鬼門には、私の知っている範囲では、二つの出典があります。

一つは、風です。中国本土、今の敦煌など、古い都での話ですが、そこでは冬に強い北東の風が吹いたそうです。寒く、しかも時として家を壊してしまうほどの風に対して、防御をすると言う意味で、鬼門という思想が出来たと言われています。

もう一つは、モンゴル人の襲来の説です。彼らは中国全体を支配するほどの力を持ちましたが、その彼らが北東の方向に住み、そこから襲ってくるので、彼らの来る方向を鬼門と呼び、防御したという説です。

つまり鬼門の始まりは、家の設計ではなく、城郭や集落を作る際の思想に始まっていると思われます。

 

他に東南の欠けを嫌うのは、中国でも東南は陽当たりが良く、最も快適な位置なのに、その場所を狭くするのは本来でない、という思想から始まったとされています。これは日本でも同じで、やはり東南の方位は、最も快適な場所とみて良いでしょう。

更に北東や南西に不浄を嫌うのは、中国大陸で一般的に吹く、冬の北東の風、夏の南西の風に乗って、トイレの匂いが室内や集落に流れ込むのを嫌っての話だそうです。

 

この様に、ほとんどが土地の特徴や長年の経験から生まれた、正に生活の知恵と言えます。それらが集大成されて、風水などの学問としてまとまったものです。

こうした土地や自然の法則などを元にした家や都市作りの学問は、世界各地にあります。もちろん、それらはその土地の特徴に則った法則であり、理論です。中国だけではありません。でも、仮にギリシャ文明が風水の理論を持っていても(実際にあるそうですが)、それを日本で適用する人はいないでしょう。あまりにも環境が違いすぎますから。

 

家相は、風水に出典し、日本で独自に発達した理論ですから、日本の風土に見合っている部分もありますが、実際には、風向きや寒さの度合い、土地の強さ硬さなどは日本海側と太平洋側、東日本と西日本では違っています。

つまり、万能ではない、という事です。

やはり適材適所、ある意味科学的にも分析し、先人の知恵として取り入れるの宜しかろうと思います。