英語から

方丈庵の平面図 人によって若干違いはありますが概ねこの様な平面の小屋だったようです
方丈庵の平面図 人によって若干違いはありますが概ねこの様な平面の小屋だったようです

”The title of the book "Hojoki" (An Account of My Hut), by KAMO no Chomei, originates from the fact that he had written it at a hojo hermitage.”

これは、有名な「方丈記」を説明した文章です。方丈記は鴨長明が書いた随筆ですが、彼はそれを”a hojo hermitage" 「方丈庵」という小さな小屋で書いたと説明されています。「方丈」というのは、一辺が一丈、約3mの正方形の小屋、という意味で、それを英語では、"My Hut" つまり、私の小屋、と訳しています。実際方丈記は、鴨長明が住んでいた3m四方のの小さな小屋で書いたと言われていますし、その小屋の説明も方丈記の中に詳しく説明されています。

 

3m四方と言うと、今で言う四畳半に近い寸法です。その小さな小屋の中に、寝床、仏間、書斎コーナー、いろりが配置され、台所と便所は外に置かれていました。わずか2.5坪程度の小さな小屋が、彼にとっての生活の全てだったわけです。

 

住宅を研究している人は、必ず何処かで、小屋を研究します。つまり、生活に本当に必要な要素を考えるためです。小屋と言っても色々な大きさがあり、大きさで呼び名も、cottage  cabin  hut  lodge 等と色々に代わりますが、どれも必要最小限住宅に近い存在で、簡単に作ることが出来、持ち運びが出来、生活が出来、ある程度の耐久性や快適性も持っている小住宅です。モンゴル人のゲルやインディアンの小屋、イヌイットの氷の小屋などが有名ですが、実は、仮設住宅もそれに近い存在です。ただ、何年も住む仮設住宅ではなく、緊急時の一時避難小屋の事ですが。

 

生活に本当に必要なものは何か。

方丈庵では、水は汲んできて、火はカマドです。テレビはもちろんありませんが、暖房と簡単な調理にいろりを使い、寝床もある。そして彼にとって重要だったのは、経を読む仏間でした。書斎コーナーといっても、ただ小さな机と、部屋を区切る衝立があるだけです。

質素とは程遠く、物があふれている現代人の生活ですが、鴨長明が住んだ方丈庵は、人間の精神的な豊かさの重要さを、しみじみと感じさせてくれます。