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ベトナム古民家にあった木製のベッド
ベトナム古民家にあった木製のベッド

ベッドの続きです。

アジアでは全体的に、板の間に布団を敷いて寝る習慣があったと書きました。でも、ベッドかフトンかというのは、床仕上げがあるか無いかにも関係しています。

 

写真は、ベトナム北部の古民家の中にあったベッドです。見ての通り、床は土のままで、そこに木で作ったベッドを置いています。

ベトナムは南北に長く、北部と南部とでは約1500km、北海道と九州ほど離れています。なので、北部山間地では雪も降り、住居は木製ではなく、土で出来ています。外壁も床も土のままで、土足での生活です。この傾向は中国の山間部や乾燥地帯でも同じ様に見られます。

床が土だから、直に寝るのではなく、ベッドが進化したのでしょう。

 

一方、中央部から南部一体では木造住居が多く、床が作られて靴を脱いで上がります。そうした地域では、床に直に寝るフトン型が主流です。

日本も同様で、住居の中に入ると、まず土間があって、それから板敷きの部屋に上がります。寝るのはその板敷きの上なので、フトンで直に寝ます。

 

実際にはもう少し細かい変化がありますが、大筋はそんな感じです。

そしてヨーロッパや中東アラブ、北アフリカなどの、世界でも最も古くから文化が発達した国々では、床は土や石で出来ていて、土足での生活です。貧乏な庶民は、床に藁を厚く敷いてベッド状にして寝ていましたが、金持ちは石や木でベッドを作り、その上で寝ていたという訳です。

 

と言うわけで、ベッドは土足生活者の知恵で、雨の多い地域では木で床を作ったので、床に直接寝ていたわけです。どっちがいいとか悪いとかではなく、必要に応じて進化していたわけです。

現代では過去の習慣は全て消え失せ、寝心地と好みで選択しています。

でもやっぱり、私はフトンが好きです。場所を取るベッドは、どうも好きにはなれません。