住宅プラン

現代の婚礼家具3点セット  さすがに和ダンスはなくなり洋ダンスが2竿になっています
現代の婚礼家具3点セット  さすがに和ダンスはなくなり洋ダンスが2竿になっています

1990年代頃まであって、結構プランニングに影響があったものに、婚礼家具3点セットというものがあります。若い人は知らないかもしれませんが、洋服ダンス、和ダンス、整理ダンスの3つでワンセット、これを新婚の奥さんが嫁入り道具として持ってくることが多かったため、婚礼家具3点セットと呼ばれていました。

 

何故プランニングに影響していたかというと、結構、大きいからです。3つ合わせると3.6m以上あり、6畳間の一面を全部使ってしまうか、それ以上あります。

本来なら、納戸に入れておきたいところですが、納戸が家具だけで埋まってしまう、何てこともよくありました。実際にはクローゼットを設ければ中身は全てそこで納まってしまうのですが、さすがに捨てるに捨てられない、というのが難点でした。大きな家具を、何とかして納める工夫をしたものです。

 

一方、最近はタンスそのものを見かけなくなりました。整理ダンス、つまり引出しはあっても、洋服ダンスは減っています。クローゼット収納として作ってしまう事が増えたからでしょう。確かに、ハンガーパイプ一本で済んでしまいますので、安いし場所は取らないし、その方が合理的ではあります。それに、嫁入りに家具を持ち込むという習慣もなくなりました。家具が富の象徴であった時代は、過去のことです。

 

収納にスッキリと納めてしまい、部屋には何も出さない、という生活スタイルは、都会的でもあり、スマートでもあります。部屋の模様替えも楽だし、掃除もしやすい。何よりも、インテリア計画がしやすいです。

ところが・・・・・

そうやって設計しても、半年も経たないうちに、やっぱり色々な物がはみ出てきます。もちろん、納まりきらない、ということもありますが、しまってしまうと使うときに不便、とか、年中使うから出しておく、とか、しまってしまうと何処にしまったか分からなくなる、等が理由のようです。その為に、小物収納が少しずつ出てきて、小物収納を置くための棚が必要になってきます。

通販やIKEA、MUJIなどが繁盛するのは、そんなためでしょう。

 

でも、実際の所、それが生の生活です。きどった来客が来るわけで無し、近所の友人達とお茶をするだけなら、映画のワンシーンのようにしておく必要もないでしょう。少なくとも、私は多くのそうした家を見てきました。

2泊3日の海外旅行に大きなスーツケースを抱えて出かけていくのと同じで、現代人の生活には物が多すぎます。

だからこそ、全部を納める収納より、今ある収納の分だけ物を買う、方が本当は正しいような気がするのですが。