住宅の話

木造の総2階  こんな感じが一番安い住宅のイメージです
木造の総2階  こんな感じが一番安い住宅のイメージです

日本の戸建住宅の86%は木造です。国交省の2008年でのデータです。意外と多い、とうのが感想です。1999年には80%でしたから、徐々に増えている様です。木造以外は、コンクリート造か鉄骨造ですが、その比率は分かりません。予想ですが、コンクリート造が多いでしょう。鉄骨造はほとんどが、住宅メーカーだけだと思いますので。

 

コンクリート造は高い、というのが通説ですが、その通りです。工事内容が複雑で工程が長く、どうしても人件費が高く付きます。木造の40坪は4ヶ月くらいの工期でしょうが、コンクリートは半年以上、場合によっては8~10ヶ月もかかることがあります。加えて、設計料も確認申請料も高くなります。建物重量が重いので、基礎の費用も倍以上です。なので、コンクリート造が高くなるのはやむを得ません。

 

どんな構造でも、住宅を安く建てるには、工事期間を短くするのが一番です。工事期間を短くするには、簡単で単純な家にするのが一番です。総2階の四角い形、間仕切り壁を最小限にして、手のかかる細工は一切無くし、メーカー規格品のみを使う。これが安くする手です。加えて、外壁も単純な乾式工法、屋根もフラットかシンプルな切妻なら最高です。断熱性能や耐震性能を落とすことなく、安く建てられます。

逆に高くするには、複雑な形状で、2階を小さくしベランダや下屋を増やす。入り組んだ間取りで細かい細工をたくさんする。外壁も建物の面によって種類や色を変え、場合によっては化粧の壁や梁を追加する。そして、サッシや水回りなどに規格外の製品、つまりメーカー特注や個別生産品を使えば、すぐに高くなります。

 

手作りは高く、工業製品は安い。でも、品質にあまり差はなく、違いは感覚的な部分のみ。

この製品に関する鉄則は、住宅も同じです。手作りの製品は、使うほどに馴染む、なんてことを良く耳にしますが、住宅も同じです。手作りの住宅は、住むほどに味わい深くなってゆくものです。

 

百数十棟もの住宅を設計してきましたが、良い大工の入った木造住宅は、その現場に入った瞬間から違います。まず、感動を覚え、良い匂いがし、隅々まで掃き清められていてきれいです。間違っても土足で入ろうなんて思いません。そして、切れの良い技を見たときには、背筋がゾッとしたこともあります。

「この家に住むお客さんは、幸せ者だなぁ」なんて、心の中で思ったりもします。ただそうした現場は、百数十棟の中に十数棟もありませんでしたが。

つまり、良い大工は、良い工務店にしかいない、と言うことなのでしょう。