建築雑談

SI工法の説明書  UR都市機構のHPから
SI工法の説明書  UR都市機構のHPから

マンションの工法に、SI工法、またはスケルトン・インフィル工法といのがあります。聞いたことはないと思いますが、スケルトン(S)は構造・躯体・外装などを指し、インフィル(I)は間取り・内装・設備などを指しています。この工法の特徴は、スケルトンとインフィルを別々に考えて設計・施工し、将来の間取り変更を、自由にできるように考えてある事です。一般的なマンションは、設備配管の都合で風呂・トイレ・キッチンの位置は動かせませんが、このSI工法は、その設備の位置も自由に変えられますので、全くお好みの間取りへの変更が可能なのです。

 

この様に書くと、とっても良い仕組みで、日本の多くのマンションはそうなるべきだ、なんて思ってしまうのですが、実際にはほとんど実施されていません。理由は、新築時のコストが高いのと、設計に高い技術が必要だからです。UR都市機構と呼ばれる住宅公団が主にこの工法で行っているのみでしょう。私は、一度だけSI工法で新築マンションを設計しましたが、施工業者も二の足を踏む様な状態でした。それほど、未経験で、高い技術力が必要、と言うわけです。

 

もしこの工法が一般化すると、こんな事が可能です。

マンションは躯体だけで購入します。間取りはありません。躯体を購入し、中の間取りやデザインは、別の設計事務所やインテリアデザイナーに依頼し、躯体ができた後に工事に入ってもらいます。そうすれば、自分の好きな間取りの、好きなインテリアのマンションが手に入ります。

すばらしいと思いませんか。お決まりの2LDKではなく、アイランドキッチンのある広いLDKが可能かもしれません。

 

実は中国の建築は、この流れが常識です。躯体と外観を設計する設計会社と、インテリアの設計会社は別であることが多いのです。なので、マンションのカタログには、外観しか載っていません。インテリアは個別に設計者と打ち合わせて作ります。つまり、スケルトンとインフィルを別々に契約する訳ですね。それが常識な文化な訳です。

但し、日本で言うSI工法ではありません。言うなれば、勝手にやる工法です。どうも、問題も多く発生しているらしいです。

 

でも、この2段階供給方式(ある人がそう名付けました)はすばらしいと思うのですが、何故一般化しないのでしょう。

実は、日本の建築基準法と、それを仕切る役所がそれをさせないからです。室中も完成しないと完了検査をしない、というルール(?)があり、別々にできないのです。効率だけが重視されているのですね。

ホント、日本の法律ってやっかいです。