建築雑談

杭業者のホームページから  こんなになったら、悲劇です
杭業者のホームページから  こんなになったら、悲劇です

地盤の話を続けます。

住宅の仕事が長いので、色々な地盤の問題を経験してきました。地震の影響は、阪神大震災の時に神戸に行き、実際に目にしてきましたが、地震に関係なく、土地そのものの問題でも家は崩れます。

 

普通の住宅街で、自然に家が傾いた事があります。千葉県のきれいな住宅街の中で、私の同僚が設計した家が傾きました。詳細に調べたところ、傾斜地の半分を盛土して作った土地であったため、盛土側の地盤がゆるんで傾いたとのことです。地震も大雨も関係なく、経年変化で数年かけて徐々に傾いてしまいました。

基礎の下に大きな穴を堀り、そこで建物全体をジャッキで持ち上げながら地盤改良をして対応しましたが、どう見ても、普通の健全な住宅地としか思えない場所です。

 

目黒区では、地面を掘ったら地下1m弱の所に地下水脈が流れていたことがあります。南北に傾斜した地形でしたが、北から南に向かって地中を小川のように水が流れていました。既存の住宅は建っていましたが、庭の部分だったので住人は全く気付かなかったそうです。

止水をし、水の流れを迂回させてから、地盤改良をして建設を進めました。

 

江東区では、江戸時代の運河が出てきたことがありますし、大田区では大雨でガケが崩れ、住宅の基礎がむき出しになったこともあります。

 

地盤調査は事前にするものですが、敷地全体を見ることができません。なので、思わぬ事が起こることもあります。全ての家が、高台の台地の上に建てられれば良いのですが、実際には、元の姿は全く分からないほど変わってしまうのが住宅地です。山を削って谷に落とし、平らにならして敷地にしてしまえば、何千年も平らだったかのように見えてしまいます。

建物の強度ばかりに目が行きがちですが、本当は地盤の方が怖いかもしれません。

どうか見た目にだまされないで下さい。