住宅プラン

映画「風と共に去りぬ」  ヴィヴィアン・リーが階段を走り下りて来るシーン
映画「風と共に去りぬ」  ヴィヴィアン・リーが階段を走り下りて来るシーン

住宅を設計する度に一番悩む事の一つに、階段があります。平屋の設計などほぼ有り得ないので、常に悩んでいるようなものかもしれません。

階段には、大きく分けて、直線型、下曲り型、上曲り型、Uターン型、螺旋型などがありますが、まずその形が大きく住宅の間取りに影響してきます。色々なパターンで間取りを考えますが、その中で階段は唯一、上下階を同時に考えながら形を決めなければならない物で、形の決定は影響力絶大です。

 

形と同時に、上り下りのしやすさ、つまり勾配も一緒に考えます。コンパクトな階段にしたいところですが、急勾配は危険で上り下りが不便です。といって緩やかにすれば場所を大きく取ってしまいます。30坪~40坪程度の住宅や3階建て住宅では、その大きさは間取りそのものを決めてしまうほど大きな問題です。

 

安全性も悩みの種です。手摺の位置やデザイン、滑りにくい材質。螺旋階段は転倒しやすいから、高齢者向きではないし、直線型階段は、一度滑ると下まで一気に落ちてしまいます。オープンな階段の場合手摺はシンプルにきれいに見せたいですが、シンプルすぎると、子供が隙間から落ちる危険があります。

 

なんてことを、毎回悩んでいます。もちろん、住む人の家族構成や年齢層、面積制限などによって対応は変化していますが、それでも、コレっていう解答はなかなか出ません。ついつい、ギリギリの線で計画してしまいます。

そもそも、絶対に安全な階段など有り得ないし、慣れてしまえばこんなものだ、で終わってしまう事が多いのも事実です。そう考えると、階段で大きな場所は取りたくありません。出来るだけ部屋や収納を広げておきたいのが人情でしょう。

 

昭和初期まで、階段は2.7mの高さを長さ1.8mで上りきっていました。56度の勾配なので、ほとんどハシゴです。戦後は2.7mを長さ2.7mで上るようになりました。45度です。近年は2.7mを長さ3.0mで上りきるぐらいが適切とされています。42度程度です。でもまぁ、あくまでも一つの指標に過ぎません。現代でも45度以上に急勾配な階段は、いくらでもありますので。

今取り組んでいる住宅は29坪です。色々と案を考えていますが、まだ階段が決まっていません。

一度でいいから、「風と共に去りぬ」に出てくるような豪華な階段を設計してみたいのですが、夢のまた夢でしょう。