住宅の話

大草原の小さな家  誰でもあこがれますよね
大草原の小さな家  誰でもあこがれますよね

都会は便利だなぁ、って感じる瞬間はいろいろあるでしょうが、住宅を設計していてもそう感じることがあります。私の場合、住宅の設備を設計するときに、よくそう感じます。

もちろん、田舎や郊外、あるいは山の中や海辺などは、都会では得難い環境に囲まれて生活することができ、多少の不便は無視し得る利点が山ほどあります。でも、設計する側としては、実は頭を抱える問題が山積み、ということがあります。

 

まず、水の確保です。水道設備が来ていな場所では、対策は二つしかありません。井戸を掘るか、水道を自費で引っ張ってくるかです。

比較的近くまで水道が来ていれば、後は自費で引く事は結構やっています。でも、その距離も、数百mとかになると、ちょっと困ります。つまり、土地の所有者の承諾が必要だからです。そこで諦めて、井戸を掘ることになります。でも、掘れば何処でも水が出るわけではありません。いや、水は出ますが、飲料水が安定して出るのかどうかです。

日本には、井戸業者、という専門家がいます。彼らには縄張りみたいのがあって、その範囲なら、何m掘れば水が出るか、よく知っています。その人達に、頼むわけです。深さはいろいろです。深さによって金額も違い、結構高いですが、たいてい出てきます。

 

水は、それで何とか解決です。しかも、おいしい井戸水になりました。保健所の検査をして、OKなら飲めます。

でも、下水は別です。川や海などに、勝手に流すことはできません。普通は浄化槽が必要になりますが、お風呂や台所の排水も浄化するので、かなり大きくて高価な設備になります。しかも、浄化処理をしても川や側溝に流せないこともあります。川や湖などの水質保護のためです。そうすると、敷地内で地中へ浸透させて処理しなければなりません。これがけっこうやっかいで場所を取る設備になります。しかも、その周辺は臭くなります。

 

都会だと、水道管や下水管に繋ぐだけで、使いたい放題ですが、人里離れると、やはり厄介です。もちろん電気も同じです。ただ電気は電線だけなので、何とかなることが多いようです。TVや電話は知りません。電波が無い地域なら、おしまいです。

ガスは、プロパンボンベや薪、炭などで対応できます。

なので、やはり上下水道が一番厄介でしょう。

 

もちろん、完成した素敵なコテージの写真には、そんな苦労は写っていません。

人間は、既に文明から離れて生活することは、出来なくなっているみたいです。そこそこの田舎暮らし、が手頃なのでしょう。