住宅プラン

色々なキッチンセットのレイアウト例   もちろんまだまだたくさん種類はあります
色々なキッチンセットのレイアウト例   もちろんまだまだたくさん種類はあります

家庭によって使い方に大きな違いがあるのが、台所です。風呂や洗面所は、多少の趣味の違いはあっても、それほど多様性はありません。伊豆の修善寺で、温泉を引いた風呂を設計したのが、一番の違いだったかも。

トイレはもっと代わり映えがしません。便器の機能や手洗いのデザイン、障害者用の多機能トイレなどが違いの主な物ですが、そこですることはみな同じなので、大して苦労はありません。

でも、台所は全く持って別です。正に、百人百用と言えます。

 

台所での違いの最も大きな部分は、物理的な大きさです。つまり、広さと形です。広さは、建物全体のバランスや要望から決まってきますが、同じ35坪でも全く同じと言うことがまずありません。Lは小さくてもDKは大きく、という家庭、LDを最大限に大きくして、台所は小さくても良い、という家庭、台所はコンパクトにしかも閉鎖的に、という奥様、台所は広々と開放的で家族と会話を楽しみながら、という奥様。

背が低いから、いや背が高いから、太っているから、主人と二人で使うから、娘と一緒に料理を楽しむから、お母様も一緒だから、料理は主人がするから、料理はほとんど作らないから・・・・・・・

とにかく、合う人ごとに、言うことは変わります。

 

しかるにどうでしょう。現代のマンションの台所ですが、どれも一緒です。長さ2.4mの対面型キッチンで、90cmの食器棚付き、という一般的なパターンは、設計者が決めているのではなく、実はデベロッパーが、住戸の面積と販売価格とからはじき出す、いわゆる標準規格なのです。規模が90m2を越えると、キッチンセットの長さが2.7mになり、食器棚が120cmになったりします。逆に60m2を切ると、長さも2.1mになったりします。

それが規格であり、標準仕様となります。

 

あれだけ多種多様で、千差万別の要望も、建て売りやマンションでは規格として統一されてしまいます。まぁ、アパートならしょうがないかもしれませんが。

日本は未だに1960年代から続いている、量産、安価という住宅のあり方を踏襲し続けているのですね。一戸建ての注文住宅でのみ叶えられる多様性は、メーカーや不動産屋という世界では無視されています。

これを「住宅の格差」と呼んでいますが、もう少し心のこもった商品として住宅を見て欲しいと、つくづく思います。