建築雑談

こんな池はもちろん有り得ませんが、日本人は庭に池を設けて自然を愛していました
こんな池はもちろん有り得ませんが、日本人は庭に池を設けて自然を愛していました

犬小屋を見掛けなくなったと言いましたが、もう一つ、池も見掛けなくなりました。そんな大きな庭がないから、というのはごもっともですが、それでも1980年代頃にはよく池を注文されたものです。

石とコンクリートを使って、ひょうたん型の池を作ったり、既成の樹脂製の池をそのまま埋めたり。大きな陶器の鉢を埋めて池に見立てたこともありました。どの場合も水道水を引っ張ってきて、ポンプを組み込み、水を循環させて常に綺麗になるようにしておきます。金魚や亀、時には鯉なども飼っているのでしょう。

 

この20年ばかし、自分の設計でも作らなくなりましたが、既存の住宅でも見なくなりました。池の跡地は見たこともあります。でも水はなかったです。私の昔の家にも池がありました。小さかったですが、いつも金魚がいて、結構大きくなっていました。夏にザリガニを捕ってきたりすると、その池に放したものです。時々水を抜いて、大掃除です。金魚をバケツに移し、水を抜いてコケや泥を洗い流した記憶があります。今思えば、半畳にも満たない小さな池だったかもしれません。

 

庭付きの一戸建て、といのは、都会のサラリーマンにとってはスゴロクの上がりの様なものでした。あこがれでもあり、目的地でもあり、成功の証でもあります。そのあこがれの庭付き一戸建てが手にはいると、庭を作ります。芝生、植木、花壇、テラス、バラのアーチ、そして定番だった犬。池も子供の居る家庭では結構定番でした。

今でも庭付きの一戸建てはあこがれに違いはありません。でも、何故か最近は、あまり庭を飾らなくなってきました。せいぜい木製のテラスに植木が数本でしょうか。芝生も減りました。

要は、手入れが大変なので、手がかからないようにしたい、と言うのと、駐車スペースを2台分取ることが多いので、庭のほとんどが駐車スペースになってしまう、というのが実態です。

 

子供も庭では遊ばなくなっています。核家族では、植木の手入れをするおじいちゃんもいません。気密性の高い住宅の中で、エアコンと換気によって快適環境が約束されているので、虫のいる庭には出ないのでしょう。

 

縁日の金魚を、毎年池に放していましたが、生き残るのはわずかでした。ザリガニはいつの間にかいなくなっていましたがどこへ行ったのやら。猫がよく池の金魚を狙っていました。池の縁をたたくと金魚が寄ってきて、餌をあげたものです。

小さな庭でしたが、子供の頃のそんな記憶は、いつまでも残っています。これからも残してあげたいのですが・・・・・