住宅プラン

ミースのユニバーサルスペース  左側の水回りの区画以外には壁が全くありません
ミースのユニバーサルスペース  左側の水回りの区画以外には壁が全くありません

住宅の間取りと言えば、まず3LDKを思い浮かべるでしょう。3つの個室とLDKとで作られた間取りです。3つの個室はきっと、夫婦の寝室と二人の子供部屋か、子供部屋と書斎や納戸となるのでしょう。マンションにしろ建て売り住宅にしろ、不動産業者からは、まず3LDKの間取りを注文されます。一戸建てで30坪3LDK、というのが一つのボーダーラインらしく、マンションだと70m2で3LDKになります。

 

この3LDKという表示の仕方は、欧米の”3-bedroom+LDK”の間取りの表現を真似たもので、決め手は3つの個室があることです。LDKは当然あるべきもので、時にはDKだけになりますが、欧米で重要なのは個室の数です。従ってその個室の数を表現するために3-bedroomという表現を使っています。

日本では、1950年頃までは個室など基本的に有り得なかったので、2DKなどという感覚はありませんでした。ですが、1955年頃からDKが登場し、個室の数も表現する習慣が始まりました。

 

でも欧米の3-bedroomは、平均120m2以上の面積の中での話です。100m2だと2-bedroom、いずれにしろ、1955年当時、平均45m2だった日本の住宅で専用個室を作ろう、何て言うのは無茶な話だったのですが、日本人は強引にそれをやってきました。6帖のDKに無理にダイニングテーブルを突っ込み、何とか子供部屋を確保しようとしたのです。

2000年になって、日本の一戸建ても平均120m2程度の面積になってきました。ついに、欧米並みの3LDKが成立し始めた、というところです。

 

ところが最近、「ユニバーサルスペース」という言葉が流行り始めています。一室空間のことで、「多目的空間」という訳が当てはまります。1930年頃、アメリカのミースという建築家が提案した、間仕切りのないワンルーム形式プランのことです。間仕切りを最小限にして、家具だけでエリアを作り、区画されるのは、ほぼ水回りだけです。この間取りの方式が、新しい感覚のプランとして認識され始めました。特に、60~70m2程度のマンションに向いています。

 

私は大賛成です。そもそも日本では、フスマだけで仕切る「ユニバーサルスペース」が伝統だったのですから。

間仕切りを無くして、本来の日本の家族の姿を取り戻したい、というのが私の設計上の信念です。