住宅の話

沖縄、竹富島の民家  NHKの番組から
沖縄、竹富島の民家  NHKの番組から

海の側に住むのが夢です。縁側に寝ころんで、庭の向こうに海を眺める。そこが砂浜なら完璧ですが、そうでなくても、高台から海を眺める家でもOKです。といっても、あまり高い崖の上だと海に行けないので困りますが、出来れば徒歩の範囲に砂浜があると最高です。

 

海辺は何よりもさわやかです。海の向こうからきれいな風がやってくるので、空気が新鮮な感じがしますし、真夏でも潮風は涼しいので、夕涼みには最高です。視界が開けるのも好きな点です。広々していて、家が狭くてものびのびできます。太陽光線が大好きなので、というより日光は私のエネルギー源なので、浜辺の日光浴は最高でしょう。

生涯の最後の終の棲家は、絶対に海辺の家と決めているのですが、さて出来ますかどうか・・・・

 

でも住宅にとっては、海辺は過酷な環境です。潮風、強風、紫外線、砂など、やっかいなものが揃っています。

潮風はもちろん塩害です。塩分は鉄をサビさせ、腐食させてしまいます。鉄製品はボロボロになってしまうし、錆びないアルミでさえ腐食してしまいます。浜辺の鉄骨造はやはり御法度でしょう。鉄筋コンクリートでさえ、鉄筋の腐食が通常より早まります。

紫外線、最近はUVの方が分かりやすいかもしれませんが、これは樹脂類には天敵です。屋外で紫外線を浴びると、塩ビやプラスチックはボロボロになってしまいます。外壁などの塗装にも樹脂が入っていますが、やはり寿命が落ちます。住宅だと、雨樋や外壁塗装、屋根材などがその対象です。

強風は特に台風が恐怖です。海風は強烈ですので、海水や砂を含んで、建物の至る所に侵入してゆきますし、屋根を吹き飛ばしたりします。

 

なんて考えると、いいとこが全くなさそうですが、実はさにあらず。海辺にはそれなりの適した家があります。ご存じの、沖縄の民家です。今では竹富島で多数見ることが出来ますが、あの建物は、海辺の全ての環境に適しています。塩害も紫外線も、沖縄産の木造や素焼きの瓦屋根なら問題ありません。台風には平屋が一番。しかも周囲の高い塀や樹木が、風を防いでくれます。鉄や新建材などの化学製品は勝てない環境でも、自然の木や粘土瓦ならサビもしなければ腐食もしないし。

 

千年、二千年という経験が育てた知恵による建物です。付け焼き刃の現代人の知恵では、とても追いつけないのが、自然との共生でしょう。

そう考えると、是非沖縄の海辺で、あの民家に住みたくなってしまいます。