住宅の話

ご存じのパルテノン神殿  世界大戦で破壊されなければ、もっとすばらしい状態で建っていたことでしょう
ご存じのパルテノン神殿  世界大戦で破壊されなければ、もっとすばらしい状態で建っていたことでしょう

樹齢百年の木は百年保つ、なんて話を世間では耳にします。私が耳にしたのは、某木造住宅メーカーの営業マンからだったと記憶しています。実のところは知りませんが、実際、樹齢の長い木の芯材は、若木よりも締まっていて堅く、長持ちしそうな感じがします。最近は間伐材といって、成長の途中で間引きされた杉の木などを使った材料が多く使われていますが、柱や梁に使うにはちょっと心許ない感じはします。

 

長持ちする素材と言えば、やはり石でしょう。木の樹齢とは比較にならない、数億年単位での話なので、その寿命もやはり長いようです。もちろん、砂岩や石灰岩の一部には風化の早い石もありますが、地中深くから地殻変動で地表に出てきた石は、数千年の単位での寿命を持っています。

そんな石を使った建築が、ギリシャやローマの建築です。多くが大理石で、石灰岩が地中のマグマの熱で美しく変成した石です。三千年近く経過しても、あの美しさですから、すごいものです。

 

私はいつも思うのですが、人工物で最も寿命の長い素材は何でしょう。

コンクリートは本来のアルカリ性が中性化するともろくなります。構造強度は長くても100年とされていますが、素材の強度はもっと長いでしょう。でも亀裂から雨などが入り込むと、いっぺんにもろくなって、みじめな姿になってしまいます。

鉄はサビ次第です。表面が直接空気に触れないように保護し続ければ相当に保つはずです。でも、塗装し続けなければなりませんので、橋みたいに表に出ている必要があります。でも、海辺以外ならコンクリートよりは保つと思います。

アルミは強靱です。表面を酸化アルミの皮膜で覆われているため、サビません。ただ、柔らかいのが欠点です。仕上げ材や非構造材には適していますが、建物の構造材には不適です。

ステンレスは錆びないですが、やはり柔らかくて、構造材にはなりません。ただ仕上げ材としては相当な寿命だと思います。しかもメンテナンス不要で。尤も、めちゃ高いですが。

樹脂やプラスチックは赤外線や熱に弱いし、とても構造材には使えません。交換可能な部位のみの使用に限定されます。

 

単に寿命という点では、陶器、タイル、レンガなどの土を焼いた窯業系の素材は強いです。割れやすいのが欠点で、建物の外壁でも亀裂だらけになりますが、仕上げ材としては抜群の寿命だと思います。その意味では、ガラスも同じです。似たような、土を焼いたものですから。

 

この様に考えて行くと、やっぱり石はすごい、と思ってしまいます。そして何気に、木もすごいと思います。あんなに柔らかいくせに、構造材として平気で100年以上保ちますので。

石、木、土。やっぱり地球の恵みは、人工物の上を行っている様です。