住宅の話

色々な規格サイズのあるツーバイフォー材
色々な規格サイズのあるツーバイフォー材

一般市販品だけを使ったオープンシステムが、常に互換性に富んでいるかというと、そうとも言えません。例えば、日本の在来工法を考えてみます。この工法は太古の昔から存在するわけではなく、大正から昭和にかけて発展した工法です。それ以前は伝統工法と呼ばれます。また、同じ大正時代でも、民家のある農村地域と、町屋のある商業地域とでも工法は違います。誰が見ても、民家の茅葺き屋根と、町屋の瓦葺き屋根とでは違いが明白でしょう。民家と町屋では、その工法に互換性はありません。

 

更に、日本の在来工法は日本独自です。ヨーロッパの石と木の組み合わせ住宅や、北アメリカのツーバイフォー、東南アジアの木造住宅のどれとも互換性はありません。その意味では、日本の在来工法は、日本独自のクローズドシステムです。

どこまでがオープンで、どこからがクローズドなのかは、見る規模によって変わるわけです。住宅メーカーにしてみれば、自分の会社で作った商品なのだから、壊れるまで自分たちで面倒を見るのが当然、とうのが理屈でしょう。要は、視点の高さの違いです。宇宙から見れば、どの国もクローズドです。

 

そんな中で、ツーバイフォー工法だけはちょっと違っています。イギリスや北米で主流となっている工法で、大量に採れるダグラスファー(米松)を使って、1.5インチ×3.5インチの断面(38mm×89mm)を基準とした木材で組立てる住宅ですが、その断面から通称2インチ×4インチと呼ばれ、それがTwo by Four つまりツーバイフォーと呼ばれるようになりました。この材料は2×4の他に、2×6、2×8、2×10、2×12などの規格材料があり、更に1×4や4×4など薄い材や、太い材なども揃っています。工法には厳密なルールがあり、しかも使う釘と金物も全て共通で指定されています。つまり、耐震基準は違っていても、世界共通の材料であり、工法なのです。

まさしく、グローバルなオープンシステムと呼べると思います。

 

ただ残念なのは、日本の場合常に在来工法と比較され、大工達はツーバイフォーを好まないという現実です。理由は、木材の質と精度が、在来工法のそれと比較にならないほど低いことにあります。日本人の職人は精度が高く、几帳面なので、この輸入材が性に合わないようです。また、東南アジアでも見たことがありません。やはり木材の質が、高温多湿向きではないからでしょう。

 

建築では、グローバルなオープンシステムは難しそうです。気候風土や文化、材料の供給など、地域性が強く、それがまた建築文化でもあるからです。日本国内でも、北海道や東北、関東、関西、沖縄と、使う木材も工法も違います。これも、貴重な文化です。

でも、同じ関東地方の狭い範囲なら、もう少しオープンにして欲しいとも思います。少なくとも、宇宙から見れば、ほんの小さな黒子ぐらいの面積なのですから。