住宅プラン

エッシャーの絵画です   さすがに こんな建築は実現しないとは思いますが・・・
エッシャーの絵画です   さすがに こんな建築は実現しないとは思いますが・・・

最近の多くの建築家達の設計は、空間を作る設計が主流となっています。1960年代は主に構造を主体にして設計していました。1970年代~80年代は間取りや社会性、人間性などが取りざたされていましたが、1990年代以降現在に至るまで、間取りという認識が崩れ、住宅を空間として扱う傾向が強くなっています。そこでは、平図面などからだけではプロの私たちでさえ内部がどうなっているのか分からない、とても複雑で抽象的な空間が設計されています。部屋、という用途による区画は無くなり、複数の用途を持った室が、複雑に絡み合って成り立っています。

 

現代の新進気鋭の建築家達は、こうした空間による設計が得意です。一つには、コンピューターによるCGが進化し、今までは平面図で設計していた間取りを、画面の中で立体として設計できる様になった事が大きいと思います。頭の中でイメージした世界が、ありのままにCGとして画面の中に現れます。なのでそれをいじりながら、想像の世界を具体化させます。模型の作製も進化して、曲面や3次元的空間も模型で作れます。なので、今まで平面図に縛られていた間取りが、立体として歩き始ました。

加えて、コンピューター上のCGソフトで作られた立体は、同じく構造計算ソフトによって構造計算が可能です。これまでは複雑すぎて計算できなかった形の構造も、計算が可能になり、とんでもない形の建物でも成立するようになりました。常識を越えた形が出来上がっています。

 

現代建築は、空間設計の時代です。常識的な間取りによる、一般的な生活という概念は、あと十数年で消えてしまうかもしれません。既に料理の概念は変わっています。素材からの調理は消え始め、あらかじめ調理されたものを、混ぜたり温めたりするだけで済ませるようになりました。テレビを中心にした居間での団らんも消えています。テレビを見ない、或いは自分用のパソコンやネットの映画で見るという方向です。窓は開けずとも常に機械的に空調管理され、高断熱高気密住宅により、外部環境とは切り離されています。つまり、完全に人工的に作られた、CGやゲームの中のような世界が、現代の住宅のようです。

 

もちろん、自然との調和は積極的で、内部と外部は有機的に繋がっています。ただしこれもコントロールされた、都合の良い部分だけの自然です。暑さ、寒さに嫌いな虫たちは、当然シャットアウトされています。

現代建築を知れば知るほど、その世界から遠ざかっている自分を感じます。

果たして年のせいなのか、それとも単純に野性的な人間だからなのか・・・・  ウ~ン、どっちなんでしょうか?