住宅の話

ステンレスで制作したキッチンセット  コンロは交換しやすい購入品でシンクは大きく90cmにしてあります
ステンレスで制作したキッチンセット  コンロは交換しやすい購入品でシンクは大きく90cmにしてあります

住宅にはかかせない台所、そのキッチンセットはやはり主婦の気になるところです。使いやすさ、収納量、美しさ、手入れのしやすさ、付属の機能などなど、選択基準は沢山あります。メーカーキッチン、例えばサンウェーブやクリナップ、TOTOなどのショールームに行くと、これでもかって程に展示がされ、正にその機能や美しさ、+αの便利さなどを競っています。私は数え切れないほど奥様方とそのショールームに行っていますが、行けば間違いなく、高い買い物をしてしまいます。比べればやっぱり便利で、使いやすそうで、見た目のきれいなものに傾くのが当然です。

 

さて、そのキッチンで最近悩まなくなったのが、カウンタートップです。以前は、人工大理石が主流で、私もそれが一番お勧めだと思っていました。

人工大理石というのは、アクリルを原料にした人工的な石のことで、見た目は御影石や大理石、或いは半透明のクリスタルのような感じです。特徴は、何と言ってもその美しさです。それと継ぎ目のない一体のカウンター。更に熱にも強く、仮にキズや汚れが付いても、ソリッドな素材なので研磨すれば新品に戻ります。

正に、水回り製品の革命とも言える製品です。

 

でも最近、私は、ステンレスを勧めています。厚みが1.5~2mm程度の厚いステンレスの一枚板をプレスして形を作ります。シンクも継ぎ目なしで、手入れも強度も申し分ありません。表面はヘアーライインと言ってジーンズのビンテージ製品の様に、細かいキズをわざと付けてあり、汚れやキズは目立ちません。しかもいぶし銀の重みを感じます。

メーカーではあまり使われていないので、選択肢がありません。なので基本的に家具屋で制作してもらいます。価格はかえって安いくらいです。扉はインテリアと調和させ、一枚物の厚いステンレスカウンターとシームレスのシンクは、使うほどに存在感が増して行きます。

 

人工大理石が嫌になったのは、そのきれいさ故です。つまり、きれいにし続けるというストレスを主婦に与えてしまうのが嫌になった理由です。台所や水回りは、どうしても汚れるしキズやシミができます。それを気にしていたら、疲れてしまいます。料理もしたくなくなるでしょう。それが嫌なのです。

多少乱暴に使っても気にならないし、少しくらい掃除を怠けても分からない、キズも付きにくくて丈夫で汚れも落ちやすい。それが使いやすさではないでしょうか。最初がきれいであるのは、あまり価値はないと思います。

住宅はパーティードレスで住む物ではありませんから、そんなきれいさより、普段着の居心地がやはり重要だと思います。