コンクリートの寿命

鉄筋のサビによる爆裂  インターネットから
鉄筋のサビによる爆裂  インターネットから

最近大型マンションの広告を見掛けるようになってきました。超高層であったり広い敷地であったり、1000世帯以上の居住者が住む、大きなマンションです。と言っても、1960年代に多く建てられた大型団地は、数千戸から20000戸などという大きさですから、それに比べればまだ小規模ですが、それでもその地域の小中学校や幼稚園、病院などは急に人数が増えて、ちょっと対策が必要になるでしょう。

 

マンションの構造はほとんどが鉄筋コンクリート造です。現代の鉄筋コンクリートの寿命は、概ね100年程度ですので、100年後にはこれらのマンションも進退を迫られる事になります。現在は、1960年代に建てられたマンションや団地の進退が迫られていますが、これと同じ事が起こります。でも、1000戸もあるとその始末は大変です。

 

1960年代に建った大型マンションや分譲団地などは、築50年ですが既に多くの物件で寿命を迎えています。コンクリートの構造体そのものの寿命もあれば、埋め込まれた設備配管や電気配線などの寿命、サッシや玄関の不具合、断熱性能や防音性能などの不足などが大きな要因です。空き部屋が増え、ゴーストタウンへと変貌しつつあります。

それでももちろん住み続ける方々は大勢います。特に高齢者はもう転居はいやでしょうし、収入の無い人も転居の費用がありません。大規模修繕をする費用はとても無いので、全員が撤去するか、朽ち果てるのを待つしかありません。規模が大きくなればなるほど、その傾向が強くなります。

 

鉄筋コンクリートは、空気に触れている部分から徐々に劣化が始まり内部へと進行してゆきます。その劣化(中性化と言います)が、深さ5cmの所にある鉄筋にまで達した時に鉄筋が錆び始め、寿命を迎えます。但しその劣化速度は一様ではありません。なので100年というのは言わばいい加減です。もっと短い建物は、たくさんあると思います。なので1960年代の築50年のマンションでも、既に寿命を迎えている建物もあるわけです。

 

その意味では、賃貸は気が楽です。古くなったり使いにくくなったりしたら、さっさと転居してしまえばいいのですから。建物の規模も築年数も関係ありません。オーナーも状況に合わせてリフォームをしながらメンテナンスすれば寿命を延ばせます。

日本人は戦後、持ち家嗜好が一時的に強くなりました。それが現在まで続いていますが、それは農村部だけでよいと思います。都市部は賃貸の方が合理的です。家族形態も変わってきましたし、終年雇用も減っています。賃貸という選択を、もう一度考えてみてはいかがでしょう。