新国立競技場

2位のリチャードソンの作品です  透明感のある素材を使い、杜の中にフワリと浮き上がっています
2位のリチャードソンの作品です  透明感のある素材を使い、杜の中にフワリと浮き上がっています

9月9日のブログで、新国立競技場の設計案に反対と書きましたが、最近あちこちで同じ様な意見を聞きます。そしてとうとう新聞でも大きく取り上げられ、著名な建築家の槇文彦氏が反対を表明しました。実際、槇さんだけでなく、反対の建築家は多いようですし、私も一般の方々から質問される事があります。

 

そもそも何故反対なのかは、人によって多少違いはありますが、概ね一致しているのが、あの神宮の杜の環境にそぐわない、という事だと思います。規模が大きすぎるとか、デザインが浮いているとか、周辺環境を無視しているとか色々な意見があるようですが、私はあのデザインは、神宮の杜を破壊していると思います。また、日本の原風景にも似合いません。もっとイケイケのお国になら似合うでしょうが、禅の無、仏教の空、茶のさび、数寄屋の伝統など、世界に知られた優れた日本文化の歴史を秘めた神宮に、あのイケイケデザインは有り得ないでしょう。選考したスポーツ振興会やその他の審査員の方々は、オリンピックを誘致したいという悲願でハイテンションになりすぎていたのではないでしょうか。

 

2位のオーストラリア人リチャードソンの作品はその意味では、神宮の杜を大切にした、美しいデザインです。3位のSANAA+日建設計の作品も同様で、2位の作品以上にあの環境を生かしています。

個人的には2位のリチャードソンの作品が一番好きで、出来上がったら相当に美しい競技場になると想像できます。力強いとか奇抜なという印象は無いと思いますが、スポーツの競技場が美しいというのはすばらしい事だと思います。オリンピックのトップアスリートの競技はもはや芸術的な領域です。競技する身体は美しく洗練された姿です。その彼らのためには、美しい競技場こそふさわしいでしょう。

 

ザハのデザインはもはやマイナーチェンジできる様なものではありません。相当な予算オーバーは確実なのでキッパリとあきらめて、2位か3位のデザインへ変更するべきでしょう。

オリンピックと言えども、無駄遣いは禁物です。美しさと真心という、日本本来の姿で世界にアピールして欲しいと、真剣に訴えたいと思います。