住宅の話

プレハブ住宅協会2012より  住宅メーカーの選択理由
プレハブ住宅協会2012より  住宅メーカーの選択理由

住宅メーカーが、最近元気がないような気がします。10年ほど前まではテレビで盛んにCMが流れ、新しい外観デザインも提案され、住み方に対する提言もかなりあったように思います。それがここんところ、CMは減り、デザインも変化が無く、何よりも住み方の提案、住宅への提案がなくなっています。やっているのは、性能を見やすく提示したり、必要以上に耐震性を強調したり、太陽光発電やエコジョーズなどの独自性の無い付加価値だけだったりで、本質の部分ではなく、どうでもいい枝葉末節をアピールしているだけの様な気がします。

 

似たようなCMは、エアコンや洗濯機、冷蔵庫などでも見られます。そこまでの機能はいらない、と誰しもが思うような事を大々的にアピールして、もう他にやることがないんです、って白旗を揚げているのがありありと見えています。確かに、ここまで来ると機能や性能面での進化は微々たるもので、他社との差別性は出てこないのでしょう。住宅メーカーも、同じ様な症状なのかもしれません。

 

1970年代に登場して以来、住宅メーカーがハウジングの世界で成してきたことは、すばらしい事でした。それまでの世界の常識を覆して、住宅の大量生産を個別対応しながら行ってきたのは日本だけです。同じ家を大量生産するなら、誰でも出来ます。事実、世界中で行われ、多くの住宅団地やアパートが供給されてきました。でも日本の住宅メーカーは、大量生産の常識を覆して、個別の注文に一つ一つ対応しながらプレハブを展開してきました。これは日本独自の、しかもものすごい工業生産力です。

且つ、住宅の品質や生活レベルの向上、新しい生活の提案なども数多く行い、少数の建築家の提案を遙かにに上回る影響力を発揮してきました。正に、日本の住宅は、彼らによって引っ張られてきた、とも言えるでしょう。

 

それが、ここんところ元気がないようです。

家電品と同じで、もうやり尽くしたのでしょうか。常に新しい製品を出し続けなければならないという、メーカーの宿命に自らが没していくのかもしれません。優れた品質の一般的住宅を、安定して提供してくれればそれで良いのですが、それだけではダメなのでしょうか。住宅メーカーには展示場という強みがあって、品質や内容を目で確認しながら消費者が選べるという、重要な役割があります。

別に新しくなくても、変化に富んでいなくても良いので、地味に安定して、住みよい住宅を供給し続けて欲しいと思います。