住宅の話

茶の間の食事といえばサザエさん  座卓のサイズは尋常ではないと思いますが
茶の間の食事といえばサザエさん  座卓のサイズは尋常ではないと思いますが

家具の種類はいろいろあります。食堂にダイニングセット、居間にソファー、寝室にベッド、台所や食堂に食器棚などなど。どれも多くの家庭に普通にある家具類です。でも、ちょっと考えてみると、これらは皆、洋室で必要な家具類みたいです。和室だと、ダイニングセットもソファーも不要です。座卓かコタツ1個で足りてしまいますから。寝室にはフトンです。そう考えると洋室とのは、家具にお金がかかるものです。

 

もちろん和洋関係なく、台所の食器棚は必要でしょう。でも座敷や茶の間には大きな家具は不要です。

戦前から戦後にかけて、食寝分離という思想が流行しました。つまり寝る場所と食べる場所を分けて、食事は食堂、就寝は寝室とはっきり分けようという考え方です。何故そんな思想が生まれたかというと、昔は茶の間と座敷しか無く、茶の間に座卓を置いて日中は食事の場や家族の集まり場所とし、夜は座卓を片付けてフトンを敷いて寝ていたからです。座敷は、お客様の接待用に常にきれいにしておき、寝るのは主人か老人だけでした。

そうした生活の習慣をやめ、欧米式に食事の場所を固定し、寝室とは分離しよう、という考えです。

 

1956年頃から作られたDKというダイニングキッチンは、正にその思想から生まれた部屋で、当時の公団の団地の設計で始めて採用され、一世を風靡したものです。以後、DKは日本の生活に定着し、現在に至っています。

でも、これは何も茶の間をやめよう、という思想ではありません。平均45m2以下という日本の狭い住宅の中で、どうやって食事専用場所を確保するかという、苦肉の策から生まれた発想です。

現代の住宅の平均面積は約90m2です。当時の倍以上となった今、茶の間で寝る必要はありません。茶の間はそれとして固定されています。無理にDKとかダイニングルームにこだわる必要は、全くなくなった訳です。

 

大きな家具は、邪魔です。部屋の模様替えやレイアウト変更、部屋の用途変更がしにくいばかりか、人の動きの邪魔もしますし、埃だまりやゴキブリの逃げ場所をたくさん作ります。茶室や数寄屋の様な質素でシンプルな部屋だと、いろいろな可能性が見えてくると思いませんか。

床は板でもコルクでもかまいません。もちろんタタミも大賛成。ただし、家具は最低限とする。茶箪笥と座卓かコタツだけ。もちろんデザインは洋風でもかまいません。

そんなシンプルな生活って、以外と豊かな可変性を持っていて、使い方にも変化があり、楽しいと思います。子供もペットも喜ぶと思いますが、いかがでしょうか。