
住宅の省エネ性能は日々進化し、断熱性能の向上や照明設備のLED使用、大きな窓による自然採光、太陽光発電の設置など、急速に進化しています。では、300万戸と言われる、既存住宅の性能はどうでしょうか。今日、建築学会のシンポジウムで、そうした建築の環境対策についての発表を聞いてきました。
新築に関する社会的や公的機関による省エネ性能の評価基準は、かなりの数があります。かなりの数ある、というのも変な話なのですが、欧米の評価基準がグローバル化して日本でも採用されていたり、日本の国土交通省が作った基準や、第三者機関が作った基準、更には、銀行や不動産業界が独自に作った評価基準など、たくさんあるのです。
もちろん、それぞれ評価の仕方は異なっていますが、要はどれも、省エネ性能を何らかの形で証明しようという取り組みです。
でもやっぱり厄介なのが、既存建築です。住宅ですと、中古住宅は、断熱材の種類や量は不明ですし、サッシの気密性もはっきりしません。照明器具は見れば分かりますが、給湯器も暖房器具も古くなるとそのエネルギー効率は不明です。大きなビルなら、お金をかけて調査したり改装したりも出来ますが、個人住宅ではそうもいきません。
いったい性能はどうなっているのか。
見た目はきれいにリフォームされていても、見えない性能は闇の中。住んで始めて実感する、が実態です。
せめて新築時に、構造性能のように数値がはっきりしていればいいのですが・・・・、と言うわけで、新築時の評価基準が運用され始めたわけです。それがそのまま、中古売買の時にも役立つでしょう。
やっとスタートラインです。と言っても、まだ数年先のスタートの予定で、しかも評価は必須ではありません。と言うことは、あと30年以上はこの暗中模索は続くようです。
ただでさえ、いい加減な業者の多いリフォーム業界です。中古市場の活性化と安定化は、まだまだ遠い道のりのような気がします。
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