21世紀の都市

未来都市? ではありません  ポーランドに実際に建っている放送局です
未来都市? ではありません  ポーランドに実際に建っている放送局です

子供の頃、鉄腕アトムを見ながら想像していた21世紀と現実の21世紀とでは、ずいぶんと違いがあります。子供の頃は、21世紀にはエアカーが飛び回り、鉄道はチューブの中を走り、歩道は動く歩道で、建物は丸い形で宙に浮いているだろうと確信していました。でも残念ながら、どれもまだ現実になっていません。

 

今となっては、エアカーは当面はあきらめていますが、未来の建物は何故丸いのだろうかと考えてしまいます。これは手塚治虫だけの話ではなく、多くのSFの世界で建物は丸く表現されています。あのスターウォーズでもそうです。超超超高層のビルの多くは丸く円筒形をして、宇宙戦艦ヤマトのガミラス星の空中都市も円形です。

実は1960年に発表された、丹下健三や黒川紀正の描いた未来都市に出てくる建物も円形で、茶筒の形をしていたり、キノコの形をしています。

 

で、実際に21世紀になっていますが、あまり円形の建物は建っていません。超高層のマンションは角が丸く削られていたり、一部の超高層ビルの中には、茶筒型のものもありますが、住宅を含めほとんどの建物が四角いままです。

なんで未来都市は丸い建築と想像したのでしょう。現実が四角いから、現実にない姿を期待しただけでしょうか。

 

この件に関して真剣に解説した論文などは無いので、あくまでも私見ですが、丸い建築は高い建築技術が要求され、それを感覚的に捕らえていた人々が、未来の建物を丸くしたのではないかと思います。

丸い建物には、丸いサッシやガラスが必要です。外壁材も丸くして、内部の仕上げ材も丸くします。しかもその曲率は同じでなければなりません。加えて、丸い建物の構造計算は、コンピューターの力を借りないと極めて困難です。つまり、設計も構造も施工も、全てが面倒で困難な建物が丸い建物です。過去の人々は感覚的にそれが分かっていて、未来にはこの困難な建物を、どんどん建てることが出来るだろうと期待したのではないでしょうか。

事実、丸だけではなく、自由自在な曲線の建築が次々と設計され、実現しています。これはコンピューターの力です。

 

街並みから考えると、丸いビルは不経済で不思議な街並みになってしまうでしょうが、空中では丸い方がきれいです。

やっぱりエアカーと同時に、丸いビル群が成立するのかもしれません。さて、いつになるのでしょうか。少なくとも、私の生きている間には無理だと思います。