英語から

ベニスの観光写真です
ベニスの観光写真です

水の都ベニスでの、厳しい法律についての記事がありました。1902年に建てられた住居の改装についての記事です。

Anything contemporary in historic buildings you can do ,as long as you are not demaging the fabric or touching the walls.  歴史的建築物において何か現代的なことができるのは、構造をいじらず、壁にさわらない範囲のみである。

The only way to get a permit was to design this as something you could dismantle and take away ,as something temporary. 許可されるのは、一時的なものとして、分解できたり、取り外したりできるデザインの物のみである。

 

この1902年に建てられた住居のペントハウス、約345m2の部屋を改装した建築家は、この様にコメントしていました。

場所はベニスの沿岸にあるジュデッカと呼ばれる半島で、そこにある住居のようです。"Everything in the home is a reference to this Venetian natural tradition."  と建築家が言っていますが、ベニスの伝統をそのまま反映した住居であって、きっとベニスの古い街並みの中に溶け込んでいる美しい住居でしょう。

 

110年前の住居をそのまま維持しながらリフォームして住めるようにするだけでも大変だと思うのですが、加えて街並みや文化的遺産としての価値を損なうことなくリフォームしなければならないという厳しい法律があるようで、その厳しさが冒頭の発言になって表れています。

要は、躯体と景観はいじるなと言うことでしょう。それも外観だけではありません。室内においても、取り外し可能な工事でなければ行ってはいけないようですから、徹底しています。外だけ当時のままで内部は最新式、というリフォームは良く聞きますが、内部や構造までも建築当時を保存し続けるというのは、あまり聞きません。ヨーロッパの歴史的街並み保存の中でも、かなり厳しい法律だと思います。

 

もちろん日本には、一部の寺社建築を除いてその様な建築は残っていません。残っているとしたら、明治村みたいな博物館の中だけです。明治期の歴史的建築物や1900年代初頭の近代建築なども残っていますが、内部は相当に改造されています。中には外観まで改造されている建築も多数有りますが。

もちろん耐震補強や防災、防犯、防火性能のための改造も多数あり、やむを得ないかとも思いますが。

 

ベニスは美しい町です。誰しもが一度は訪れてみたい町でしょう。そういう町をそのまま維持するには、これくらい厳しい法律がないと、確かに無理なのかもしれません。脱帽です。