住宅の話

フローリングでもフトンはおかしくありません
フローリングでもフトンはおかしくありません

いつから日本人はベッドを好むようになったのでしょう。戦後の、アメリカからの輸入文化の影響が大きいことは言えると思います。ベッドに寝る生活は、メディアを通じて広く伝わったと思います。テレビの影響も大きいと思います。

タタミでの生活がカーペットに変わり、食事がイスでの生活になり、勉強を机でするようになった事も大きい理由だと思います。床に座らずにイスに座る生活には、やはりベッドでしょう。生活の重心位置が高くなったので、フトンの高さはいかにも低く感じます。

 

言うまでもなく、アメリカや海外諸国でベッドが使われるのは、土足の生活だからです。土足の生活で床に寝るのは、やはり抵抗があるのでしょう。古代から、よほど貧乏な環境でない限り、一段高くした位置に寝ています。

日本も東南アジアも、上履きの生活が主流です。靴を脱いで、一段高くなった室内で生活を営んでいます。なので、共通しているのは床に直に座って生活する習慣です。床の仕上げは木であることが多く、板や竹などが多く使われています。そしてその上に敷物を敷いて、寝るのが長年の習慣であり、文化でした。

 

ベッドで寝る習慣へ変化したことは、日本も東南アジアも一緒です。東南アジアでは、必ずしも高級な家具としてのベッドではなくとも、箱を積み上げて敷物を敷き、ベッドとして生活している風景を多く見ます。少なくとも、日本の旅館のように、床に直にフトンを敷いて対応するホテルは見たことがありません。その意味では、床に直に寝る文化が色濃く残っているのは、日本だけかもしれません。

 

であっても、実際に設計する住宅の多くは、ベッドを前提としています。和室でフトン、という注文は、ずいぶんと減っています。というか、ほとんど皆無に近いです。和室は趣味の部屋であって、寝室はやっぱり洋室が主流です。数年前に47戸全てがフリープランというマンションを設計しましたが、床にフトンで寝る、という住戸は2戸だけでした。45戸はベッドです。

 

子供が小さい時などは、フトンを並べて敷いて川の字で寝たり、広い部屋の真ん中でノビノビと寝たり、一つのフトンに寄り添って寝たり、フトンでの寝方にはそれだけで生活が想像できます。臨機応変、個別対応がフトンの魅力です。90度向きを変えて寝るだけで新鮮な気分にもなれます。部屋を広く使えるし、掃除も楽だし、模様替えもしやすい。

私は、ベッドよりもフトンの魅力がお勧めなのですが・・・