屋根裏部屋

白川郷の合掌造り  太い垂木で屋根を支えていて大きな屋根裏部屋ができています
白川郷の合掌造り  太い垂木で屋根を支えていて大きな屋根裏部屋ができています

ロフトと言う言葉は、良く耳にします。渋谷に始まった有名な雑貨店が有名にしたのかもしれませんが、ツーバイフォー住宅の普及で、屋根裏部屋の存在がクローズアップしたこともあると思います。

ロフトは英語では"loft"ですが、正確には屋根裏部屋の意味ではありません。語源は、馬小屋などで干し草を保存するための、簡易的な開放された屋根裏のことで、日本の納屋にもありました。大きな棚の様なところです。屋根裏部屋となると"garret"という言葉があり、こらは本当の屋根裏部屋です。

 

日本の在来工法は屋根裏の利用がほとんどできません。母屋と呼ばれる細かい構造材が立ち並んでいるため、部屋にならないからです。でも、明治時代頃までの主流だった伝統工法ではこの小屋裏は一般的でした。伝統工法は大きく、和小屋と合掌とに分類されますが、特に農村地方で普及した合掌作りによる大きな茅葺き屋根の家では、小屋裏は重要な意味を持っていました。

合掌作りは、岐阜県の白川郷の建物が有名です。大きな屋根の中は3層や4層の物もあり、多くは冬の養蚕に使われていました。農村の茅葺き屋根でも、雪国では養蚕が盛んで、冬の間は屋根裏でカイコを育てて絹糸を生産していたため、重要な役割を持っていました。それ以外にも、使用人部屋や女中部屋などを設けたり、畑仕事の道具類なども保管してあった様です。

 

現代の在来工法は昭和初期以降に発展したもので、伝統工法の和小屋の進化形です。和小屋は主に都市部の町屋などで普及した工法で、既に2階建てが基本だったので、小屋裏は発達しなかった様です。そのため、在来工法でも小屋裏はありません。

ところが、戦後の高度成長期にツーバイフォー工法が輸入されると、輸入住宅やツーバイフォー住宅のメーカーなどが屋根裏を売り出して、狭い日本の住宅でプラスαの部屋としてヒットし始めました。ロフトは、吹抜天井の一部を棚状に加工して、部分的な屋根裏にしたものです。狭い子供部屋のベッドスペースとして人気があります。

 

日本の建築法規では、3階建て扱いして、何だかんだと規制を加えていますが、山小屋風の感じがして落ち着く部屋が出来るので、私は好きです。屋根を部分的に跳ね上げて窓も付けられるし、天井高さも十分に確保できます。

ただし、日本の夏では、かなり暑いです。断熱材をたっぷり入れても、やっぱり暑いです。気候変動でこれからは、更に暑くなるでしょう。その意味では、高原や山荘なら良いのですが、一般市街地では、あまりお勧めではありません。

楽しめる空間であるだけに、ちょっと残念です。