住宅の話

有名なギリシャのミコノス島  真っ白な壁は全て石灰で日本で言う漆喰です
有名なギリシャのミコノス島  真っ白な壁は全て石灰で日本で言う漆喰です

以前、木の内外装が増えている、というお話しをしました。特に天然木の内装は多いです。加えて、今日は土塗り壁の内装が増えているお話しをしたいと思います。土塗り壁は、昔ながらの漆喰壁や最近流行の珪藻土、そして長い歴史を持つ聚楽土が主流で、概ねこの三種類と言っても良いと思います。

 

一番有名かもしれない漆喰は、消石灰という石灰石を原料とした白い粉で、別名、水酸化カルシウムです。この白い粉に、藁、麻スサ、砂、土、灰などを混ぜ合わせ、色々な色や素材感を出して壁塗りをします。真っ白が純粋な漆喰で、日本では古くから内外壁に使われていますが、ギリシャのエーゲ海に面した白塗りの壁や中世ヨーロッパの多くの教会の内装など、世界中で仕上げ材として使われている、正に殿堂とも言える仕上げ材です。素材が白いだけに、さまざまな色の土を混ぜることで多種多様な色や素材感が出せ、しかも原料は安いので、最近とみに見直されているようです。

 

珪藻土もこの10年ぐらい有名です。やはり古くから使われている土塗り壁で、七輪の材料としても有名です。適度な硬さがあり吸湿性と保温性に富んでいるため、昔から住宅の内装材として使われています。漆喰より粗い仕上げに向いていて、DIYでも施工可能な材料として、ホームセンターでもよく見掛けます。

 

聚楽は、京都の聚楽の近郊で取れる土で、和室の壁仕上げ材の代名詞のように使われています。でも、現代の聚楽はほとんどが樹脂で作った聚楽風仕上げ材で、本物の聚楽土は既に希少価値となってしまいました。

 

土塗り壁は、木の壁よりも吸湿性が高く、夏の高い湿度を調湿してくれる性質を持っています。その効果は絶大です。土塗りの部屋に入ると、空気の性質が変わっているのに気付くほどに調湿をしてくれます。更に無垢の木の床やコルクの床などを使えば、多湿の夏も爽やかに過ごせることは間違いありません。もちろん冬も、過剰な水分を吸収して徐々に発散もしてくれるので、結露や乾燥の対策にもなります。

土も、木も、その意味ではすばらしい内装材と言えます。

 

もちろん欠点もあります。物をぶつけてひび割れたり、剥がれ落ちたり。またヒビが入ることもあるし、汚れは拭き取りにくいですから台所向きではありません。更に、素材は安くても、左官屋が塗る手間が高いので、どうしてもクロスやペンキより高価になります。加えて、湿気の多いところでは水分を吸うためにカビが生えたり、コケが生えたりもします。自然素材ならではの注意が必要です。

でも、居間食堂だけでも漆喰や珪藻土で仕上げてみる価値は大いにあります。間違いなく、居心地の良い部屋になることを請け負います。