住宅の話

火災実験の写真  火は窓から出て窓から入ります
火災実験の写真  火は窓から出て窓から入ります

仕事柄、と言うのも変なのですが、火事の現場を何度も見てきました。自分で出した火災もありますが、どちらかというと、隣家の火災による被害状況の判断がほとんどです。都市の密集地帯がほとんどなので、隣家の火災は、1mと離れていない距離を飛び火して、飛び込んできます。私が見てきたのは、どうやって修復、復旧するかなので、もらい火で全焼したケースはありません。でも、隣家は全焼して、跡形もないケースもありました。

 

火災のもらい火は、ほとんどが窓からの火です。窓は閉めていてもガラスは溶けて割れてしまい、そこから火が侵入してきて延焼してしまっています。雨戸やシャッターがあれば火は止まっていますが、ガラスだけだと止まらないようです。

火は2階のほうが強く横に広がるので、もらい火のほとんどは2階でした。ワイヤー入りのガラスが割れ、アルミサッシの枠も溶けてねじ曲がっています。ワイヤーは火災時のガラスの割れを防ぐのが目的ですが、隣家が全焼するぐらいの火災では効果は見えません。完全に割れてしまいます。

 

室内では、カーテン、建具、家具などが燃え、その熱で柱や梁も痛んだり焦げたりします。内部は消防隊の放水でびしょ濡れで、中を走り回った土足のせいで泥だらけです。燃えたのは2階でも、放水の水で1階の天井は落ち、壁もグズグズです。

外壁は、隣家側だけが黒こげになりますが、最近の家は燃えることはありません。あくまでも黒く汚れた感じだけです。その意味では防火性能は高くなっているのでしょう。全焼した隣家も、外壁はそのまま残っていることがあります。中は真っ黒焦げですが。

 

家の防火性能は、ガラスの性能で決まっていると言えます。遮熱、紫外線、防犯、断熱などの性能は高まっていますが、ガラスの溶ける温度だけは同じです。もちろん耐熱ガラスはありますが、とても高価で、一般的ではありません。

明るい日射しと開放感のために、ガラス面積は広がっています。願わくは、お隣と3m以上離れていれば安心なのですが、都会ではおよそ望めません。

火事は恐ろしく、火事現場は悲惨です。やはり、火の用心が、この時期一番大切でしょう。