英語から

暖炉の前身で調理用の場所です  煙はまだ天井から抜いていました
暖炉の前身で調理用の場所です  煙はまだ天井から抜いていました

Fireplace と言えば暖炉のことですが、最近は暖炉より、Wood stove や Wood heater と呼ばれる薪ストーブが流行です。日本ではもともとFireplace は囲炉裏の事なので、暖炉や薪ストーブは輸入品ですが、囲炉裏が古来加熱や調理の道具であったのと同じように、欧米では暖炉や薪ストーブは調理道具でした。薪を燃やして調理をする中世の暖炉、つまりFireplace はそのまま暖房器具の役割も果たし、やがて調理の機能が消えて暖房専用へと進化していった訳です。

 

そう考えると、囲炉裏も暖炉も、進化の過程は似ています。ただ、囲炉裏は現代ではほとんど消えてしまいましたが、暖炉はそのまま残っているのが大きな違いです。でも実は、住宅の計画で考えると、日本の囲炉裏と欧米の暖炉は大きな違いがあります。囲炉裏は部屋の中央にあり、暖炉は部屋の隅にあるということです。

 

日本にだって、カマドという調理器具はあり、これは部屋の隅にあります。でも同じFireplace として始まった古来の調理兼暖房器具が、部屋の中央か片隅かというのは、やはりものの考え方の決定的な違いを意味しています。

中央で、火を丸く囲って集まる日本流。これは竪穴式住居やモンゴルのパオ、アメリカインディアンのテントなど数多く見ることができます。考えてみれば、焚火を囲むのは世界共通の方法です。

 

何故、欧米では火を部屋の隅に移動させ、囲むのを止めたのでしょう。文献にその答えが出ていました。

Smoke canopy could be placed against stone walls, instead of taking up the middle of the room, and this allowed smaller rooms to be heated.

欧米も中世以前では、部屋の中央で火を燃やし、暖を取っていました。でも、欧米の大きな部屋やホールなどを暖房するためには、大量の火を燃やす必要があり、その煙の処理が問題だったのです。その時、石でできた壁は煙突を作って煙を出すのに都合が良く、部屋の中央にあったFireplaceが隅に寄ったと記載されています。しかもこの方法は小さな部屋でも都合が良かった様です。

 

答えは部屋の大きさだったのか、と納得しました。

日本人には囲炉裏を囲むくらいの、手頃な広さが似合っているのかもしれません。