タイル

美しい柄で有名なトルコのタイル  一枚ずつ手画きのタイルで有名です
美しい柄で有名なトルコのタイル  一枚ずつ手画きのタイルで有名です

住宅の仕上げ材から、タイルが消えつつあります。いや、既にほとんど消えているかもしれません。

まず王道の浴室からタイルが消えました。20年前までは、住宅に限らず浴室を仕上げる材料はタイルと決まっていたくらいですが、この20年でその座をユニットバスに譲り、現場でコツコツと作るタイル仕上げの浴室が姿を消してしまいました。

 

次に消えたのが台所です。キッチンセットの前は、化粧タイル仕上げが主流でした。汚れが付きにくく、火にも水にも強い、しかもきれいな仕上げ材として、キッチン前タイルは長い間台所を飾ってきました。でも、その座もキッチンパネルという不燃性の化粧板に取って代わっています。理由は、目地の汚れです。タイルはきれいでも目地が汚れて、その汚れが落ちないというのが原因です。

 

 

残ったのは、外壁と玄関ポーチ。

でも住宅の外壁で本物のタイルを張るのは、最近ではめったに見られません。高価、重い、施工が大変、地震で落下するなどなど、理由は様々ですが、タイル模様の化粧サイディング材に替わっています。

そして最後の砦が、玄関ポーチです。一応今でも主流ではあるようです。それでも天然や人工の石、化粧モルタルなどの仕上げも増え、一時の勢いはありません。

 

何でこんなに嫌われてしまったのでしょう。素材としては、美しく長寿命で、水回りにも外部にも使え、複雑な形態にも対応します。目地の無い仕上げもあり、大きさや柄を変えて変化も楽しめます。実際、諸外国では今でも大変多く使われていて、特にアジアの西側やトルコ、スペインなどは美しい柄のタイルで大変有名ですし、東南アジア諸国では床材に多く使われています。

見かけの冷たさと目地の汚れが日本人好みではないのでしょうか。

 

いつかまた流行するかも、は有り得ないかもしれません。何故なら、タイル職人がいないからです。高い技術の必要な仕事です。技術の伝授が必須ですが、それが途絶えていて職人は減少し続けているため、もう復活は不可能かもしれません。

日本の伝統ではないですが、短い命で終わりそうで残念です。