丸い家

鉄腕アトムの家  BS放送のパラボラアンテナまで付いていました
鉄腕アトムの家  BS放送のパラボラアンテナまで付いていました

とんがった家と四角い家のことを書いたので、ついでに丸い家のことを書いてみます。

私は鉄腕アトムの世代ですが、鉄腕アトムの住んでいる住宅は、丸い3階建ての家です。1960年頃、21世紀の未来の家は、丸い家と思っていたのだと思います。そういえば、車や電車も流線型で、四角い角がありません。丸い形は、未来の象徴だったのでしょうか。

 

今21世紀に入り、丸い家はどうかというと、住宅ではほとんど見掛けません。部分的に丸い家はたくさんありますが、全体が丸となると、建築家の作品を探してもごくわずかです。

もちろん、住宅以外ならたくさんあります。丸い博物館、丸い百貨店、そして高層マンションの多くが丸っこく角が取れていますし、海外には完全な丸や楕円形の高層マンションや事務所ビルも存在します。そう考えると、21世紀に丸い建物が増えるという手塚治虫さんの予想は的中かもしれません。

 

では、何故丸い戸建て住宅が増えないのでしょう。

理由は簡単です。日本の住宅が小さいからです。敷地が狭く、建物も狭いからです。四角い敷地にめいっぱい建てようとすると、丸い建物は無駄だらけ。なのでどうしても土地の形に合わせた四角い住宅になります。加えて、小さな丸い建物は内部の壁の曲率が大きく、家具などとの隙間が大きくできて使いにくい、ということもあります。大きな曲率の、広い家なら大丈夫ですが、その意味では日本の現状には向いていないと言えるでしょう。

大きな公共建築ならその心配はありません。丸い壁も、室内では直線の平面に感じるでしょう。なので、外観重視の公共建築などでは曲線の建物が増えているという訳です。

 

日本の土地が広がることはありえないし、人口の大きな変動も無いでしょう。最大の問題である、居住地の都市集中化の現象も変化のきざしすらありません。となると、狭い土地に狭い住宅、という今の流れは22世紀になっても変わりそうもなく、結局四角い家が建ち並ぶ街並みが続きそうです。

願わくは、都市部に良質で安価な高層の公共賃貸住宅が増えて、一方で郊外では、戸建て住宅の面積が広がると良いのですが、100年でそこまでの福祉国家に変化するかも、ちょっと微妙な感じです。