電子レンジ

一般的な家電品と一緒に電子レンジが並んでいます
一般的な家電品と一緒に電子レンジが並んでいます

電子レンジが家電品として世に出たのが、1960年頃というのですが、ちょっと驚きです。何故なら、1960年頃にはまだ冷蔵庫も洗濯機も一般に普及していなかったからです。公営の団地の設計に洗面所が始めて登場したのが1959年の間取りからで、洗濯機置き場が現れたのは1961年からです。やっと洗濯機が出まわり始めた頃に、電子レンジは既に商品化されていたというのですから、やっぱり驚きです。尤も、広く家庭に浸透し始めたのは1970年代の終わり頃からで、「チンする」という電子レンジの代名詞が流行したのは1980年代です。

 

現代の台所では、電子レンジは必需品です。普及率は恐らく、限りなく100%に近いと思いますが、コンビニ弁当の加熱だけでなく、電子レンジを利用した様々なレシピが登場して、一人住まいの人達には電子レンジの無い生活などあり得ないのではないでしょうか。加熱の仕組みは1960年当時と全く同じで、電磁波が水の分子の運動を活発化させて、一気に発熱させているだけです。電磁波の出力や効率、コントロールなど機能は向上しているでしょうが、理屈は何も変わっていません。恐ろしくシンプルな家電品と言えます。

 

テレビや冷蔵庫はどんどん大型化し、置き場に困ることが常ですが、電子レンジだけは逆で、どんどんコンパクトになっています。熱の発散も工夫がされていて、後ろがクロスの壁でも平気になってきました。庫内の大きさは変わっていないはずなので、電卓と同じで機械が小さくなったのでしょう。設計する側としては、誠に助かる便利な機械です。

 

聞いた話で真偽のほどは確かではないのですが、あるメーカーの電子レンジの取説に、ネコを入れないこと、というのがあるそうです。信じられないですが、ある女性が、飼い猫が寒そうでかわいそうと言って、ネコを電子レンジに入れて温めたそうです。もちろん大きな悲鳴で止めたと思いますが、それ以来そんな取説の文言が入っているそうです。

丸ごとの卵はダメです。爆発してしまいます。アルミホイルにくるんだら温まりません。電磁波を反射してしまうので。温めすぎても爆発することがあります。水が、沸騰を通り越して爆発してしまうから、何てことも書いてあります。

 

1960年代、水洗トイレの正しい使い方、という説明資料がありました。都会に出てきたお年寄りのためです。水で流す、なんて想像もしなかったでしょうから。

なんか、電子レンジの取説も、水洗トイレの使い方と似ている感じです。万事、便利になっていますが、実は機能を使い切っていない物って、ずいぶんとある様に思いませんか。