屋根材の進化

黒いガルバリウムの屋根と外壁の家  白い外壁とのコントラストが鮮やかです
黒いガルバリウムの屋根と外壁の家  白い外壁とのコントラストが鮮やかです

年末年始の休みを利用して、講義で使うための住宅の写真を撮って歩きました。住んでいる場所が、横浜の田園都市線沿線で、新しい住宅街がたくさんあり、自転車で1~2時間も走り回ると色々な家の写真を撮ることが出来るので、助かります。もちろん、古い民家や伝統的農家の家もありますが、圧倒的に築30年以内の新しい住宅が並んでいます。

そんな風にして何日か見て回っていて、気付いたことがあります。新しい住宅で、瓦屋根の家がほとんど無いのです。

 

住宅の屋根材は、建物の印象だけでなく、屋根の勾配に関係しているため屋根の形状や家の大きさまでも決定してしまいます。例えば歴代の瓦屋根ですが、これは勾配が25度以上35度程度までが原則です。この勾配で瓦を乗せると、結構屋根は大きく重たく見え、どっしりとした重厚感が出てきて正にお屋敷という風情を出すことが出来ます。

一方、瓦が高価で手に入らなかった時代、鉄板葺きの家が多数ありましたが、この屋根の勾配は10度程度で平気です。なので小さな低い感じの家になり、昔は安っぽく見えたものでした。

 

で、現代の新築住宅の屋根葺き材の主流、カラーベストの勾配は20度程度から45度程度まで対応していて、低めの小柄な感じから、大きな屋根の洋風な感じまで自由に表現できます。しかもカラフルで安価、施工も楽でデザインも豊富、加えて軽いので地震には有利、台風で飛ばされる心配もほとんどありません。

という訳で、新築住宅の定番となったのでしょう。寿命が短いので、10年~15年で塗り替える必要があるのですが、あまりそのことは伝わっていないかもしれません。

 

一方、一時は安物扱いされていた鉄板葺きの屋根ですが、近年の建築家達の住宅はほとんどこの鉄板葺きになっています。住宅雑誌をめくるとほとんどがそうです。瓦は見掛けますが、カラーベストの屋根はまず見ることはありません。一般的な事が嫌いな建築家ですからカラーベストは嫌いでしょうが、何故安い鉄板に走るのでしょうか。

理由は、ガルバニウム鋼板というアルミニウム合金でメッキされた鉄板が発明され、これがめっぽうサビに強いからです。しかも銀色や黒、白といったメタリックな無彩色が中心なので、外観に影響せずに屋根を作れるという利点があります。今や、建築家御用達の屋根葺き材で、しかも外壁仕上げも可能な材料です。

もちろん近所の住宅街にもたくさんありました。既に一般化されているので、建て売りでも使っているみたいです。

 

金持ちの象徴だった瓦屋根ですが、もう過去の話。逆に瓦屋根の家は、伝統建築の分類に入りそうです。これも、時代ですね。