車窓から

東山魁夷の年暮る  京都の瓦屋根を描いた絵ですが、さすがにこの姿はもう無理です
東山魁夷の年暮る  京都の瓦屋根を描いた絵ですが、さすがにこの姿はもう無理です

今日は、久しぶりに東海道新幹線に乗りながら、窓の外を眺めてみました。家並みは一瞬で通り過ぎてしまうので細かい様子は分かりませんが、逆に地域の景観はよく分かります。住宅地や工場地帯、農村地帯、何もない?地帯、山間部など、どんどん景色は変わってゆきます。

 

新横浜を過ぎてしばらくすると、始めて家並みが途切れます。恐らく、平塚の辺りだと思いますが、住宅街が農村の風景に変わります。逆に言えば、この辺までが周辺市街地と呼ばれる、都市近郊の市街地だと思います。東京駅からは50kmくらいです。

そしてすぐに山並みに入り、海が見えたら小田原でした。山の斜面にへばりつくようにして住宅が建ち並んでいるのが小田原周辺です。つい、土砂災害や崩落を想像してしまいました。

 

箱根のトンネル群を抜けて突然開けると沼津の辺り、再び市街地が続きます。ただ、東京周辺とはやはり密度が全然違います。住宅一戸一戸は大きく、空間も開けているのがよく分かります。更に、住宅群同士の間が空いていて、そこが農村地帯になっています。建物群と農地が交互ぬ現れて来ますが、本来の市街地の理想はやはりこんな姿だと思います。日本が都市計画の参考にしたイギリスの田園都市の理想型が、住宅街の周辺を農地が取り囲んでいる姿でした。でも、大都市ではその農地が50kmに渡って無くなり、住宅地と非生産地帯(つまり事務所ビル)になってしまったのです。

 

大井川を過ぎて浜松に近い辺りでは、逆に農村部か工場ばかりになり、時には何もない荒れ地が広がっています。そんな景色が浜名湖を過ぎて、豊橋辺りまで交互に現れ、豊橋の先は再び大きな住宅街になり、名古屋の辺りまで市街地が続いています。

その後あまり変化が無くつまらないな、と思っていると、突然京都の瓦屋根が現れました。もちろん、浜松あたりから先は瓦屋根が増えるのですが、バラバラに建っているのであまり印象に残りません。でも、京都の市街地は瓦の屋根が整然と並び、黒光りした甍が見事です。もちろん、アチコチでその並びは壊れてビルが建っていますが、恐らく歩く速度なら見事な並びだと思います。

やはり都市は、整然と並んでいると美しいものだと、つくづく思います。ヨーロッパの古い街並みが美しいのもその理由です。京都も景観条例があり、変わった建物が建てられないですが、やはり必要だと思います。日本の、そして人類の遺産ですから。

 

でも東海道はすごいです。とにかく建物が途切れません。農地や荒れ地があってもすぐに家が現れます。広大な農地や平原、山間部というものがありません。隅々まで人間が入り込んでいる、そんな印象です。

尤も、日本って、何処もそうかもしれませんが。