通風

一般的なマンションは風通しが悪く設計されています
一般的なマンションは風通しが悪く設計されています

住宅の設計では様々な事を考え、気を使っていますが、間取りを作る際に常に気を配ることの一つに、風通しの良さがあります。風通しは通風とも言いますが、窓を開けて自然に換気する手段で、環境工学では第4種換気方法と呼ばれています。家の中に籠る様々な不都合なガスを、最も早く確実に追い出してくれて、室内を一気にリセットしてくれる最良の換気方法です。

 

最近の住宅は、省エネ効果を高めたり断熱性能を高めるために、基本的に気密性を重んじる傾向が強いようです。これは特にマンションや住宅メーカーの建物にその傾向が強いように思います。理由は、断熱性能や気密性能は数値で表わすことが可能で、その数値はそのまま他社との比較に使えるからです。自動車の燃費を比較するように、住宅の性能も数値で比較することができるのです。比較できるなら、わずかでも他社より良い数字を求めます。私には無意味な数字争いにしか見えませんが、その結果が気密性の高い家を提供している訳です。

 

確かに、風通しが100%歓迎されるわけではありません。特に花粉の季節や黄砂の季節。厳冬期の寒さや灼熱の暑さは避けたいところです。それでも、1年のほとんどの日々で風通しは、快適さと室内の若返りを提供してくれることは間違いありません。朝一番の新鮮な空気で室内の空気を入れ換えると、ホッとします。当然ですが、一晩で二酸化炭素は増加し、汗や体臭などは充満しているはずです。24時間換気などの機械換気では、室内全体の空気は動きません。水の流れのように、空気の流れる道ができ、その周辺の空気を入れ換えているだけですので。

 

風通しは、南北や東西と言ったように、家の中を縦に縦断する様に窓を設けて行います。しかも出来れば、家全体を風が駆け抜けていくように工夫しますし、通風量は小さい窓の面積に比例するので、大きさや量も考えます。部屋はドアを開けて行い、廊下を経由して、階段も駆け上がり、とにかく家の端から端まで貫通するように窓を設けます。もちろん各個室の中も駆け抜けるようにします。出来れば納戸も。

そうなんです。理想的な通風を作るのは、結構難しい設計なのです。でも通風の良い家は、やはり施主に歓迎されます。

必要以上の気密性能は無意味です。国の省エネ基準の指針もおかしいと思います。

家も家族も、風通しが一番だと、私は思います。