通風2

外壁の通気工法の参考図
外壁の通気工法の参考図

ほんの40年ほど前までの家は、すきま風が当り前でした。窓は木製で隙間があり、壁も柱と壁との間に隙間が空いてきます。いわゆる土塗り壁などで塗って作った壁ですが、柱が表面に出ているので、乾燥して柱が縮めばどうしても隙間が空きました。

床下は隙間だらけです。これは技術の問題ではなく、湿気の多い日本の気候に合わせて、床下の換気を十分に取ることで土台や床根太が腐るのを防ぐためです。更に、乾燥させればシロアリの害からも守れます。シロアリは乾燥した木は食べられませんので。つまり、すきま風は住宅の寿命を長持ちさせる為の文化に他ならなかったのです。

 

中の人間も寒かったろう、とは思います。でも、すきま風以前に障子やフスマしかなかい極めて開放的な建物なので、すき間のあるなしなど気にもとめなかったのかもしれません。恐らく、寒さには強かったのでしょう。

逆に夏は快適だったろうと思います。蒸し暑い日本の夏をいかに快適に過ごすかがポイントだったのだと思います。

 

実は、住宅の気密性は、住宅の寿命を縮めています。室内に充満した湿気や、工事中や元もと素材に含まれていた水分が完成後に徐々に放出され、その水分が外へ抜けなければなりません。でないと壁の中や天井裏など躯体の中に充満し、結露を起こし、カビや腐敗の原因となってしまいます。なので、壁の中はすきま風が通らないと困るのですが、多くの気密住宅はそこも密閉してしまいます。でないと断熱性も落ちてしまいますので。

なので、下手に気密や断熱を求めた住宅は、それが原因で寿命を縮めていることになるのです。もちろん、高度に設計施工された気密住宅はその心配はありません。断熱、気密を保ちながら、壁の中では通気が保たれていますので。でも、その工法は難易度が高く、一般的には対応し切れていません。

 

多くの建築は水が大嫌いです。水で腐り、カビが生え、シロアリが食べます。逆に乾燥しすぎも苦手です。油っけまで飛んでしまい、割れの原因になりますので。なので、自然な通気と自然な環境が、住宅には最も適していると言えます。

通気は本当に難しい設計テーマです。断熱、快適、通気。この三者をうまく釣り合わせた家が、本当に長持ちする快適な家でしょう。