天井高さ

コルビュジェのモジュロール  彼は人体寸法から色々な寸法の基準を割り出しました
コルビュジェのモジュロール  彼は人体寸法から色々な寸法の基準を割り出しました

いつ、誰が決めたか知りませんが、何故か住宅の天井高さは2.4mが一般的です。昔流に言うと8尺なんですが、別に昔の住宅の天井高さが8尺だったわけではありません。むしろ、もっと高い方が一般的でして、この2.4mという寸法は、比較的最近、それも1970年代以降に定着した様に思います。それも恐らく、住宅メーカーやマンションの販売会社での話だと思います。

例えばマンションの設計ですが、全てをギリギリで設計して少しでも利益を多く出すのがマンション設計の必須事項ですが、天井高さは厳格に2.4mを守ろうとします。1cmでも切るとNGが出ます。つまり、購買者が2.4mにこだわるそうです。もちろん、廊下や台所などは2.2m程度まで下がります。換気扇のダクトが入ったりしますから。でも居室は2.4mが絶対なのです。

住宅メーカーは差別性が売りです。なので2.45mだったり2.5mだったり、少しでも高い天井を作り出そうと努力しています。そして間違っても2.38mにはしません。そこはマンションと同じです。

 

 

1960年代の公営マンションや団地では、色々な高さの天井がありました。2.35m程度が普通で、場所によっては2.5m以上で、水回りや台所が低いのはやはり同じです。つまり、2.4mにはこだわっていないわけです。もちろん欧米の住宅はもっと高いです。身長が高いですし、空間も広いですから。2.7m程度の天井は普通にあります。でも実は、2.2m程度の低い天井の寝室を作ったりもしています。その方が落ち着くからです。天井裏の小部屋が落ち着くのと似ています。低い天井は時として落ち着きを出しますので。

 

私たち建築家は、部屋の広さや構造、用途、施主の身長、その他多くの要因を組み合わせて天井高さを決めています。2.4mにはこだわりませんが、一つの目安にはしています。ただ、こだわらないだけです。一律2.4mにはしません。

大学の計画系の授業でも、2.4mは一つの目安として教えますが、全くこだわりはしません。3mくらいの天井はいくらでも設計していますし、やはり2.2mくらいの低さの効果も教えます。

 

なので、2.4mという基準(?)はあくまでも住宅会社の一般論、とみて良いでしょう。基本的には空間の容量で決めるべき数字ですので。でも、今日もきっと何処かのモデルルームで2.4mの寸法を確認している方々がたくさんいることでしょう。それで満足するなら、それも良しかもしれません。