地下室

実は地下鉄というのは、常に地下水との戦いなのです
実は地下鉄というのは、常に地下水との戦いなのです

建築工事で価格を上げる要因の代表として、土工事があります。土を掘ったり、土地をならしたり、崖を切り崩したりする土工事で、地下室の穴を掘る工事もその土工事の代表です。穴を掘るには、まず掘っても崩れないように準備をして、それから土を掘って、掘った土を捨てに行って、それから始めて建築工事が始まります。建築工事が終ったらもう一度、今度は土を買ってきて余分な穴を埋め、平らにならします。この工程の一つ一つが全て高いものに付き、結果として建築工事の価格を釣り上げてしまいます。

 

地下室は高い。というのは今や常識ですが、やむを得ないことでもあります。

特に日本では、多くの場所で地面を掘ると水が湧いてきます。低地はその傾向が多く、河川や海沿いの埋め立て地、沼や池を埋めて作った住宅地、川を埋めて作った土地など、水の豊富な日本ならではの水と絡んだ土地が多いのが理由にあります。尤もそのお陰で昔から水に苦労することなく生活してこられたので、文句を言えた筋合いではないですが。

 

でもこの、掘って出てくる水は、地下室工事には厄介なしろものです。土の崩れるのを防ぐだけでなく、水が染み込んでくる事も防がなければならないからです。

かつて、アメリカの西海岸と中央部で住宅の工事現場を見てきましたが、極めて簡単に地下室を作っていました。何もせずに、ただ掘るだけです。まるで子供の遊びのようなイメージでした。しかも掘った穴の底はカラカラに乾いていて、側面も崩れてくる気配すらありません。これなら、地下室工事も簡単です。で、実際とても簡単に地下室を作り、地下室から天井を見上げると、1階の床が見えていました。

 

昔から水の確保に苦労してきたアメリカ西海岸と、水が豊富な日本。どっちが良いのかは断言できませんが、どちらかって言うと水に困らない方が良いとは思います。

 

手抜きの地下室は、カビだらけになってしまいます。と言って、高いのも困ります。適正価格が無い、と言うのが地下室工事です。土地の狭さと道路の狭さ、そして水の出具合の三次方程式です。解くのが難しいのも納得、と言うところでしょう。