地下室と液状化

液状化のメカニズム
液状化のメカニズム

ちょっと、構造関係の専門分野の話になります。

東北の震災で、千葉県の沿岸地帯を中心とした、地盤の液状化の問題がクローズアップされました。地盤の液状化というのは、水分を含んだ砂の地盤が、地震の揺れでほとんど泥水状態になり、地盤の耐力がゼロになってしまう現象です。この現象は、水が含まれないと問題は起こりません。また、水を含んでも、土の粒子が細かい粘土質だと、やはり問題になりません。砂場の砂のような砂質土が水分を含んでいる場所で、長い時間の揺れが起こると発生する現象です。

 

日本は基本的に列島全体が山脈です。その山脈から水が流れ出て、海の近くで三角州となり平野が出来ます。関東平野のような大きな三角州もあれば、全国に点在する海辺の小さな平地などが、たくさんの三角州の街となって栄えています。加えて、海岸沿いでは埋め立て地が沢山あります。例えば、徳川家康は江戸に拠点を移した時、上野の山を切り崩して日本橋周辺を埋め立てて土地を広げています。近代では東京湾沿岸は全て埋め立て地で、東京ディズニーランドは完全に海の上に建っています。そうした三角州や埋め立て地が、この液状化の餌食となっています。

 

日本各地で地面を掘ると水が湧いてくるのには、こうした理由もあります。決して飲めるようなきれいな水ではなく泥水です。で、そうした水が地下室の施工をややこしくしている訳です。

 

ところがこの地下室、地盤の液状化にはものすごい効果を発揮します。完全に防水された地下室は、言わば船のようなものです。普段は土の中に埋もれて身動きもしませんが、液状化した地盤の中では、船のように浮力を持って浮いてくれます。しかも地下室は堅固なので、傾いた状態で固まっても、全体を油圧でジャッキアップすると再び水平に戻すことが出来ます。

但し、浮きすぎたり若干沈んだ状態で固まる可能性はあります。でも、家そのものは無事で、元の姿に復旧することが可能です。

なので、液状化しそうな地盤には地下室は重要な解決策でもあります。もちろん高価ですが・・・・

 

液状化しそうな土地には戸建ての家を建てないのが一番です。深い杭を打つ高層建築なら大丈夫ですが、戸建ての小さな家では対策がありません。その中でも、地下室は一つの解答ではあります。ちょっと、消極的な対策ではありますが。