飛行機の窓から

森をえぐったようなゴルフ場 
森をえぐったようなゴルフ場 

国内線の飛行機に晴れた日中に乗ったのは久しぶりです。しかも窓側の席。羽田から九州までの道のりを堪能しました。

空から見ると、本当に日本というのは山ばっかりで、平地が少ないと言うことが分かります。山また山と続き、その合間を縫って川が流れ、所々に平地が出来るとそこには町ができています。逆に言えば、平地と言う平地は全て人の住む場所になっている感じです。もちろん田畑を含めてですが。所々には大きな平地があります。そこは大都市です。でもまたすぐに山になってしまいます。

 

国土の60%が山の国ですから、山が多いのは尤もですが、東海道から山陽道だけを見ると、山の閉める割合はもっと多いようにも感じます。平地が少ないから住宅の土地が少なく、土地が高いのでしょう。もしもっと平地が多かったら、都市のあり方はかなり変わっていたでしょう。農地がもっと広大に広がり、町と町が農村地帯で結ばれる感じになっていたかもしれません。

なんて事も考えながら眼下を見ていました。

 

で、その内に変な物が点在していることに気付きました。緑の山の一部が、ライオンが爪でひっかいた様に傷ついている場所がたくさんあったのです。そこだけ木がなくなり茶色くなっていて、幾筋かの傷跡の様に見えます。ゴルフ場です。山の森林を切り開いて作っているので、空からだと芝生のコースが傷跡のように見えたのです。特に今の時期は芝が枯れているので、なおさらです。空から見ると、とても痛々しく、生々しい見え方がしました。地上でゴルフをしている時には、森に囲まれた緑の芝生と青空とがきれいな風景ですが、空からだとまるで違います。

 

人工物の美しさって、そんなものかもしれません。人間の力で及ぶ範囲は狭く、人の身長と体力で覆える部分だけしか考えが及ばないのでしょう。自然の造形のスケールとは、その大きさが全く違っています。そう考えると、ピラミッドやナスカの地上絵を創造した古代人の力はものすごいとも言えます。

山や森を切り開いて都市を拡大し続けている人間ですが、その力の大きさもありながら、その力の小ささも知るべきなのでしょう。人の住まなくなった住宅はすぐに荒れ果ててしまいますが、人のいなくなった都市もすぐに植物に覆い尽くされてしまいます。

力に頼る事よりも、やはり共存する道を探るべきなのでしょう。