シャワー

中世のシャワーの図
中世のシャワーの図

浴室の設計をしながら、内部の詳細を奥様と打ち合わせしていた時でした。シャワーフックの高さを確認したら、「一般的でいいです。立ってシャワーを浴びる事なんて無いですから」 と言われて、不思議に思ったことがあります。立ってシャワーを浴びることが無い、って、シャワーって立って浴びるものではないかしら?

 

どうでしょうか。洋画では年中シャワーを浴びるシーンが出てきますが、みんな立って浴びています。そんなものだと思っていました。でも確かに日本人は座って身体を洗うので、シャワーも座ったままで浴びるのかもしれません。ちなみに私は、身体を洗う時は座って洗いますが、最後には立って全身を流しますし、運動の後などに汗を流す時は必ず立って浴びています。でも確かに、スポーツクラブなどでは、シャワーブースの中にしゃがみ込んで身体を洗っている人も見掛けます。

 

シャワーというのは、中世のヨーロッパで発明されました。室内の風呂が普及し始めた頃、もっと少ないお湯で身体を洗えないか、と考えたある人物が、頭の上の高さに小さな穴を沢山開けたタライを固定し、その中に使用人にお湯を入れさせ、シャワーにしたのが始まりです。風呂より簡易で、お湯の量も少なくて済み、排水する量も少ないので重宝したようです。結構売れたみたいです。もちろん一部の富裕層だけですが。一般の人はまだ川で水浴びをするか、お湯で身体を拭く程度でしたから。

挿絵のように、かごの上にタライを乗せてシャワーにしたようです。日本人ほど風呂好きではないので、十分だったのかもしれません。

 

日本だって、みんなが風呂に入るようになったのは江戸時代後期以降です。銭湯が普及し、温泉の習慣も生まれました。でも個人宅で風呂が使える様になったのは戦後もだいぶたってから、1950年代以降です。それまでは多くはタライの水やお湯で拭く程度です。シャワーはほんの最近、1980年代以降のことです。家庭用給湯器が普及してからです。

なので、シャワーの使い方も日本流です。風呂のお湯で身体を流す代わり、という程度なのでしょう。そういえば昔の木のお風呂には、上がり湯という小さなお湯が別に付いていましたっけ。

 

文化が浸透するには時間がかかります。今の20代の世代が80代になる頃、きっとシャワーの使い方も定着するのでしょう。