二世帯住宅

このような状況は、両親が若い頃だけです  本当の高齢になったら難しいでしょう
このような状況は、両親が若い頃だけです  本当の高齢になったら難しいでしょう

両親と同居する住宅を二世帯住宅と呼び出したのは、1980年代の旭化成ホームズ(株)です。当時はまだ高齢者社会ではなく、高齢化による問題は浮上していませんでした。提案の背景はどちらかというと、若い世代の側の住宅取得問題でした。高度成長期以降の土地の値上がりと住宅不足などを背景として、若い世代が住宅を取得する手段の一つとして両親との同居が提案されたのです。

 

ところが現代では、二世帯住宅は完全に高齢者対策に変化しています。高齢となった両親の面倒を見るための同居、というのが一番の背景であり、共稼ぎの若夫婦の手助け、というのも理由の一つに考えられます。正に主客逆転です。親が子を、ではなく、子が親をに逆転してしまいました。

 

しかしこの二世帯住宅、過去には嫁姑の問題があり、なかなかうまく事は進んでいませんでした。実は、家は出来ても一緒には住まなくなったという二世帯住宅は沢山見てきています。親側の提案に子供が反論せずに同居し始めた結果です。

そして現代では、親が高齢になりすぎて事が進まなくなってきています。90歳代の両親は普通におり、100歳代でさえ珍しくないのが現代ですが、いくら生命力はあっても、頭と肉体の衰えは止められません。歩くのが不自由だったりすぐに転んだり、ボケで赤子のように面倒を見なければならなかったり、目や耳や歯などが不自由で特別な対応が必要などなど、正に24時間態勢での介護が必要になってきています。実際、自分たちの生活を持っている素人にはちょっと負荷がかかりすぎかもしれません。

 

もちろん老人ホームや介護施設は高価な施設なので、ほとんどの人が入居できないのが現実です。放ってはおけないし、さりとて子供達だけでは対応しきれない。と言って手助けしてくれる人もないし、頼めば高価なものになる。

これが現代版の二世帯住宅の実態でしょう。一緒に住んで両立できるような年齢の限界を、越えてしまったのです。

 

特にヨーロッパから日本に来て生活している人達は、日本の教育費の高さにビックリしています。おそらくやがて、高齢者福祉にかかる金額の高さにビックリすることでしょう。経済大国だけであって福祉国家ではない日本が、その方向性を変えられるのでしょうか。本当の正念場はこれからの数十年間でしょう。今はまだ、始まったばかりですから。