テレビの価値

部屋の隅に置く方法は、最近減ってきています
部屋の隅に置く方法は、最近減ってきています

1年生の初期の課題に、自分の部屋の設計が定番としてあります。マンションの一住戸をリノベーションして、自分が住みたい部屋として設計しなさい、という類の課題です。最初から2階建ては難しいので、手頃な課題です。その設計でいつも思い、今年もつくづく思ったのですが、学生の多くがテレビを中心にした設計をするのです。

 

家として必要な物は数多くあります。浴室やトイレ、キッチンセットなどは必須です。ベッドやソファー、食卓テーブルなども配置されますが、くつろぎの空間には必ずテレビが置かれ、そのテレビを見やすいような部屋の作りや家具配置を行っている学生が多いのです。中には、小さな住戸なのに、ベッドのそば、浴室、食卓など数台のテレビを置く学生もいます。生活の中のかなりの部分がテレビを中心に成り立っているのでしょうか。実際に話をしてみると、家にいる中のかなりの時間を、テレビを見ることとパソコンで動画を見る時間に費やしているそうです。

 

世の中ではテレビ離れ、という話も聞きます。テレビがつまらなくなった、と感じているのは私も同じです。でも、それは番組を前提とした話だけなのかもしれません。テレビを見なくても、パソコンで動画を見ていれば同じ事で、レンタルビデオを借りて見るのも同じだと思います。要は、テレビ番組はつまらないので見なくても、画面を媒体として受動的な生活を送っているのですから。

高齢者の多くが一日中テレビを見て暮らしている、と言うのもよく聞きますし、私の父も同類です。身体が動かなくなった高齢者なら仕方がないかもしれません。でも、大学生がなぜ部屋に籠ってテレビを見ているのでしょう。やるべき事はたくさんあるでしょうに。

 

実際の住宅の設計でも、テレビの置く位置は重要な話題の一つです。テレビの大きさ、置く高さ、場所、どこから見るか、誰が見るかなどたくさんの要素があって置き場を決めて行きます。時には、夫婦ゲンカの種にもなっています。最近のテレビはインターネットとも繋がっているので、そうした配慮も必要です。台所に立つ奥様が、テレビを見ながら料理をしたいという希望は結構多いです。テレビはパソコンやスマホで見ている、という学生や若い方の話もよく出てきます。いずれにしろ、テレビ系の動画設備は必須という事です。

「休みの日は、バイト以外は一日中、家でテレビかパソコンを見ている」と話す学生に、私は反応に困ってしまいます。

テレビもスマホもパソコンも無い家を設計しろ、ってな課題でも出してみましょうか・・・・・