建築模型

学生の作った室内模型  これではやっぱり内部の様子は分かりにくいです
学生の作った室内模型  これではやっぱり内部の様子は分かりにくいです

住宅会社などでは行いませんが、設計事務所では建築模型や完成予想パースを作成することが多いです。特に住宅系の新築設計ではほぼ100%模型を作成して検討をし、お施主様にも見せながら説明します。模型と言っても、外観の模型が多く、色も素材もありません。通常ただの真っ白です。それでもなかなか分かりにくい外観のイメージや窓の位置、屋根の形などを説明するのには重宝です。

 

所変わればやり方も変わるで、これが海外になると、模型よりも完成予想パースを使うことが多いようです。特に中国ではそのパースはものすごく、リアルを通り越してドラマチックですらあります。演出効果が強く、インパクトが強すぎる程に細部にこだわりながら、リアルな描写をしています。ヨーロッパでもパースが多く使われています。特に実際の景観写真の中にパースをはめ込んで、いかにもそこにあるかのように見せる手法を多く見掛けます。パースの良いところは、実際の人間の目では見ることの出来ない外観、特に上空からの見え方や、全体像の把握に強い威力を発揮します。

 

留学生を見ていても、ヨーロッパや中国の学生は、パースの作成が達者です。大学院生クラスになると、プロ並のパースを画いています。実際それでアルバイトをしている学生もいるほどです。

でも日本では何故かパースよりも模型が重視されています。学生にも、パースの作成より模型作成を熱心に指導しますし、パースは自力で勉強する学生が多いです。なぜ日本ではパースが一般化しないのでしょう。

 

理由の一つに、その価格があります。パース作成料は高価です。それは海外も同じですが、利幅が少なくなってしまうので倦厭される傾向があります。二つ目に、学生時代にパースを勉強したくても、パース作成ソフトが高価で手が出せない事があります。20万円以上もするソフトは学生には買えません。三つ目に、完成後に、見せてもらったパースと違う、と言ってクレームを付ける施主が居ることがあります。日本人は細かいので、パースとの食い違いを追求してきます。

以上のような理由から、明らかに実物とは事なることが明白な、真っ白な模型が多く使われている様子です。

 

でも、建築模型は室内は作れません。室内はやはりパースの世界です。リフォームが増えてくる今後、このパースの需要が増えそうな気がします。ちょっと覚悟が必要な気もしています。