3Dパース

ご存じ、もめにもめた新国立競技場  これも3Dパースです
ご存じ、もめにもめた新国立競技場  これも3Dパースです

3Dという言葉は既に一般用語です。特に、映画の世界や、3Dプリンターなどで一気に有名になりました。Three Dimension の略で、日本語では3次元になります。建築の世界でも、3Dはパースの世界で有名です。設計した建物の立体的形状を、コンピューターの画面の中で作成して見せたものが、3Dパースです。パースは Perspective つまり透視図の略です。

 

現代の建築図面を作成するCADと呼ばれるコンピューター作画支援システムを使うと、この立体的画像を連動して作成する事もできるくらい、この3Dパースは一般化し始めています。本来CADというのは、紙に図面を書く作業を、コンピューターの内部で行う機能ですが、紙の上に画く時に、同時に高さの情報を入れることが出来、それによって一瞬で立体的な図面に変化させる事が可能になっています。ただし、一般的な作画図面では、この高さ情報は入力しませんので、パースにはなりません。あくまでも、その情報をインプットしたらの話ですし、このインプットには、結構な時間がかかりますので、日常的な作業にはなりません。

 

パースを専門とする人や会社もあります。特に、自動車などは最初から立体のパースで作画しています。何しろ、形が命ですから。でもこの自動車を設計できるようなソフトはかなり高価で、しかもそれを動かすパソコンも半端なパソコンではありません。100万円を越すようなセットになります。つまり、平面を立体に変換するには、相当量の計算が必要で、設計が細かくなればなるほどその計算量は膨らみ、膨大な量になる訳です。例えば、私のパソコンで住宅の室内の簡単なパースを作画させようとすると、一部屋の一面だけで30分以上の作画時間がかかります。細かくなれば、1時間程度は普通に起こります。それほど、複雑な計算だと言うことです。

 

パースは、簡略化した作画だとあまり意味がありません。手でスケッチを描いた方がましでしょう。画くならば、形や大きさが正確であることはもちろんで、素材の質感や光の当たり具合、見える物も隠れる物も正確に描写しないといけません。なので自動的にかなりリアルな物になって行きます。で、リアルになればなるほど、実物との相違が明らかになってきます。マンションの完成予想図によく、実際とは異なります、という断り書きがありますが、正にその通りで、あるべき物が無かったり、その逆だったりすると、後々もめる原因となってしまうのです。

 

現実と架空の区別が付かないほどにリアルになると、架空が現実になり、ややこしいことになります。建築パースも同じで、ほどほどの所で止めて、スケッチで留めておきたいのですが、コンピューターはそんなことおかまいなく、先へ先へと突き進んでいます。かえって、困ったものです。