隣の音

音のエネルギーの目安
音のエネルギーの目安

アパートやマンションに住んでいると、隣や上階の住戸の音が気になることがあります。鉄筋コンクリート製の住戸だとかなり遮音性能は高く作られてますが、鉄骨造や木造だとやはり限界がある感じです。一般的にコンクリートでの遮音は簡単で、単純に厚く作ればすぐに遮音性能は上がります。例えば、10cmの壁と20cmの壁とでは遮音性能は5dB違います。5dBの違いは、音のエネルギーに換算すると、音が1/3に低下したことを意味します。20cmを25cmにするだけでも、およそエネルギーは1/2になりますので、かなり遮音性能は上がることになります。

 

音のエネルギーは耳の聞こえ具合に換算するのが難しいのですが、例えば25cmのコンクリートの壁では遮音性能は55dB程度なので、通常の会話や生活音はほとんど聞き取れない程度に落ち、電話の音がかろうじて聞き取れる程度の遮音となります。ですので、最近の新築マンションの壁厚、23cm~25cmならば、かなり快適な生活が保障されていると言って良いでしょう。

 

一方の鉄骨造では話が違ってきます。例えば壁の遮音性能は、複雑に組立てられた複数の壁材の合計値で決まり、壁厚が厚いから遮音性能が良いとは行きません。どんな素材を使っているかと、隙間なく完全に閉じているかが決め手となります。なので、設計図や見た目からでは、全く判断が付きません。加えて鉄は音をとても伝えやすい素材なので、鉄骨の構造体を伝わっても、音は響いてきます。なのでコンクリート造のような高い遮音性能を作り出すことは、基本的に難しいでしょう。理論上は出来たとしても、施工上では不可能とも言えます。

 

マンションとは高級なアパート、と定義する人もいますが、日本では中層の建物は基本的にコンクリート造なので、マンションは自動的にコンクリート造と言うことになります。一方、2~3階建ての賃貸アパートは費用の点から鉄骨造が主流です。そんな所から、アパートの遮音性能は低く、隣室の音がかなり聞こえてくる事になるのでしょう。実際、隣の生活音はかなり聞こえてきます。会話までは来ませんが、掃除機の音、水道の音、とびらの開け閉めなどは聞こえてくることがあります。やむを得ないでしょう。その程度が限界です。

 

海外では、ホテルでも隣の話し声が聞こえてきたりします。耐震建築でないので、壁が薄いのと、柱と梁だけはコンクリートでも、壁はブロックと言うことが多いためです。

日本の耐震建築は、結果的に遮音性能まで高めていますが、これはあくまでも地震の故で、思わぬ副産物と言ったところでしょうか。